南ア大統領「嵐がやって来た」 新型コロナ感染拡大に危機感

南ア大統領「嵐がやって来た」 新型コロナ感染拡大に危機感
アフリカ大陸で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染者の半数近くが集中する南アフリカではラマポーザ大統領が、「嵐がやって来た」と述べて危機感をあらわにし、国民に対策の徹底を訴えました。
AU=アフリカ連合によりますと、アフリカ大陸全体の新型コロナウイルスの感染者は、12日までに57万人を超え、このうち南アフリカは26万人余りと、全体の46%が集中しています。

ラマポーザ大統領は12日夜、テレビ演説し、「かねてから予測されていたとおり感染者が急増し嵐がやって来た」と危機感をあらわにしたうえで、ピークは今月下旬から9月下旬までの間に迎えるという見通しを示しました。

また、これまでに200万件の検査が行われたとし、「医療体制がひっ迫し、医療機関に受け入れを拒まれた感染者も出ている」と述べて懸念を示しました。

南アフリカでは貧困層の困窮を受けて外出制限の緩和を進めてきましたが、それと共に感染者が急増し、1日に報告される感染者数はおよそ1万2000人と、アメリカ、ブラジル、インドに次ぐ規模になっています。

演説の中で、ラマポーザ大統領は、制限緩和の一環で、酒類の販売が解禁されたことを受けて、飲酒運転による事故や暴力沙汰が増えて医療体制を圧迫しているとして再び酒類の販売を禁止したほか、夜間外出禁止令も再び発令し、国民に対策の徹底を訴えました。