オンラインで“愛の誓い” コロナ禍でもできる結婚式!

オンラインで“愛の誓い” コロナ禍でもできる結婚式!
“密”にならない、地方の雄大な自然をバックに行われる結婚式。
ウェディングドレスをまとった新婦の姿は専用アプリで配信。

ウイルスと共に生きるこの時代、新たな結婚式の形とはいかに.
(青森放送局記者 佐野裕美江)

青空の下で

青い空に青い海。ジューンブライドの6月、ある1組のカップルの結婚式が行われました。

舞台は青森市のベイエリア。去年、「プロポーズの聖地」に認定されたばかりです。美しい自然をバックに、2人は新しい人生のスタートラインに立ちました。
ところが…せっかくの晴れ姿を見守る参列者が見当たりません。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、式の様子はスマートフォンで撮影され、専用のアプリでライブ配信されています。家族や友人は好きな場所で映像を見て“参列”しているんです。

結婚式のためのアプリ

使っているのはこちらのアプリ。

ライブ配信を見ながら、お祝いの言葉などを送ることもできます。ご祝儀も3000円、5000円、1万円、3万円と金額を選んでオンラインで贈ることができます。
まさに「オンライン結婚式」のための専用アプリなんです。このアプリ、新型コロナの感染が広がる前の去年10月から開発が始まりました。
考案したのは、東京にあるベンチャー企業「WeddingLive」の社長、橋本健士郎さん(30)です。

熊本県出身の橋本さん。仕事で忙しく、九州に住む友人の結婚式になかなか出席できなかったと言います。同じような悩みを抱えている人のニーズに応えたいと開発に挑みました。

やがて新型コロナの感染が拡大。
“友人や家族が参列できない”と結婚式を延期や中止せざるをえないカップルが続出しました。

そんな状況を見て、実用化に向けて急ピッチで準備を進めたそうです。

見つめ直す 式のやり方

コロナ禍でもカップルには結婚式を挙げる夢を諦めないでほしい。そんな思いで、「オンライン結婚式」を企画したのが、青森県にあるブライダル会社の木原靖崇さん(50)です。
新型コロナの影響で、3月から7月まで100件以上あった式場の予約のほとんどがキャンセルや延期に。売り上げも大幅に減ってしまったため、橋本さんの会社に協力を求めました。
木原さん
「これまで結婚式場はある意味“密”を商売にしてきたので、3密を防ぐということになると、全く逆の提案をしなければならない。カップルにとって一筋の明るい光をつくっていくのもわたしたちの役割だと思うので、思い切って結婚式のやり方を見直した」

天国のお母さんにも

今回、オンラインで式を挙げたのは、青森県五所川原市に住む大屋慎さん(23)と七海さんです(25)。

ことし2月に婚姻届を出しましたが、新型コロナの感染が広がっていたため、当初、式を挙げないつもりでした。

そんなときに提案を受けたのが「オンライン結婚式」。
新婦の七海さんは、オンラインで県外に住む父親や友人に“参列”してもらえるうえ、去年亡くなった母親にも感謝の気持ちを届けたいと挙式を決断しました。
大屋七海さん
「ウェディングドレスを着ることは憧れだった。はじめは写真を撮るだけかなと思っていたけれど、思い出に残るような形でやれるのがうれしかった」
何かと準備に時間がかかる結婚式。

しかし、感染リスクを抑えるため、ウェディングプランナーと対面しての打ち合わせは2回だけに。
招待状は、すべてアプリで作成しました。友人や親族はSNSやメールなどで共有されたURLから、招待状やライブ配信を見ることができます。
大屋慎さん 七海さん
「気軽にSNSを見るように、家でまったり、お菓子を食べながら見てもらいたい」

新しい結婚式の形

当日、2人の門出を祝うかのように青空が広がりました。波が穏やかな陸奥湾に、津軽半島と下北半島もくっきり見えていました。
今回の式は人前式。参列した人たちが、2人の結婚の証人です。

オンラインで参列した30人近くが20分ほどの式を見届けました。「おめでとう」のほか、「リモート結婚式初だから新鮮」「パチパチ(拍手)」といったコメントが寄せられました。
今回の結婚式の価格は通常の一番安い挙式プランのほぼ半分の16万円、どのくらい需要があるか調べるための特別価格でした。
企画した木原さんは“新たな形”に可能性を感じています。いずれ、新型コロナが落ち着いた時には、オンライン結婚式を挙げに多くのカップルに青森を訪れてほしいと考えています。
木原さん
「1つ形になってよかった。青森県は、海や山など密にならずにオンライン結婚式や記念撮影できる場所がたくさんあるので、新しい分野としてぜひチャレンジしたい」

コロナでも諦めないで

今回の取材で、その土地らしい場所で結婚式を挙げられるのは、とても魅力的だと感じました。

みなさんが住んでいる地域にも、密にならない、自然豊かな場所など、きれいな映像や写真を撮影できるスポットがあると思います。

コロナで挙式を諦めていたみなさん。ぜひ新しい形での結婚式を考えてみませんか?
青森放送局記者
佐野裕美江

平成28年入局
本州最北端のむつ支局で、一次産業や中小企業を取材