熊本の災害現場で活動中の医師らが報告 『支援控え』を指摘

熊本の災害現場で活動中の医師らが報告 『支援控え』を指摘
記録的な大雨となった熊本県の災害現場で活動している支援団体の医師らによる報告会が、8日夜、オンラインで開かれました。
報告会には、災害の発生直後から熊本県人吉市や球磨村などの被災地に入って活動している災害支援団体の医師ら4人が出席し、新型コロナウイルスの感染が広がる中で起きた大規模災害の現場で実際に活動して感じた課題などについて参加者からの質問に答えました。

この中で、孤立した被災者の救助活動や避難所の医療支援活動などに携わっている男性医師は、「今回の特徴は、『避難控え』ではなく『支援控え』だと感じた。これまでの災害では被災から4日目くらいには炊き出しなど支援団体の活動が始まっていたが、今回はまだそうした姿を目にしていない」と指摘しました。

さらに、「避難所の中ではなく近くに止めた車の中で車中泊している被災者の姿を多く目にするのも今回の災害の特徴で、水分補給や軽い運動などエコノミークラス症候群の予防のための指導を行っている」と話しました。

また、避難所に食料やマスクなどの物資を届けた女性スタッフは、「感染対策のハンドブックを持参し配布しているが、被災者の多くがマスクを持っておらず行政の備蓄も不足しているため、一刻も早く物資を届ける必要がある」と述べました。