仏 マスク着けない客を乗車拒否 バス運転手暴行受け脳死状態に

仏 マスク着けない客を乗車拒否 バス運転手暴行受け脳死状態に
フランスでは新型コロナウイルスの感染対策として公共交通機関でマスクの着用が義務づけられていますが、マスクを着けずにバスに乗ろうとした乗客を拒否した運転手が暴行を受けて脳死状態になりました。同僚の運転手らは安全が確保できていないとして2日間にわたって業務を停止しています。
フランス南西部のバイヨンヌで5日、バスの運転手のフィリップ・モンギヨさん(59)が、マスクを着けずに乗車しようとした乗客を拒否し、すでに乗車していたマスクを着けていないほかの4人の乗客に対しても降りるように求めたところ、暴行を受けました。

モンギヨさんは病院に運ばれましたが、脳死状態になっているということです。

地元の検察はマスクをつけずにバスに乗ろうとした男など4人を拘束し、当時の状況について詳しく調べています。

事件を受けてモンギヨさんの同僚らは「安全が確保されていない」として事件に抗議する形で業務を停止し、事件から丸2日たった7日も現地ではバスの運行が大幅に乱れています。

フランスでは感染対策のためことし5月以降、公共交通機関でマスクの着用が義務づけられていて、違反者には135ユーロ、日本円でおよそ1万6000円の罰金が科されることになっていますが、取り締まりの頻度は高くないためマスクをしないまま乗車する人もいるのが現状です。

現地では8日、運転手に対する暴力に反対するデモ行進が企画されていて、残虐な行為への反発が広がっています。