千葉 集団感染の高齢者施設 入院調整難航が明らかに コロナ

千葉 集団感染の高齢者施設 入院調整難航が明らかに コロナ
ことし4月から5月にかけて新型コロナウイルスの集団感染が発生し、14人の入所者が亡くなった千葉県松戸市の高齢者施設と県とのやり取りを記録した資料の一部がNHKの情報公開請求で開示され入所者の入院調整が難航していた状況が改めて明らかになりました。
松戸市の介護老人保健施設、「あきやまの郷」では、4月から5月にかけて入所者と職員合わせて35人の集団感染が発生し入所者のうち、施設内で12人、医療機関に搬送された2人の合わせて14人が亡くなりました。

NHKが県に情報公開請求したところ、施設側が当時県に状況を説明した記録の一部が開示されました。

その中では感染者の病院への受け入れに関して「各病院から入院を断られている」、「認知症は病院が困ると言われている」などと記され認知症で要介護度も高い人が多く入院先が見つからずに調整が難航していた状況がうかがえます。

県によりますと施設では医師が常駐し酸素吸入などの治療を行っていたほか、入所者の多くの家族が延命措置や救急搬送しないことに同意していたということですが「まともな治療はできず、亡くなるのは切ない」とケアにあたっていた担当者の苦しい胸の内も記されています。

千葉県健康福祉部の石出広次長は、「かつて調整に苦労したのは事実だが、今は病院ごとの役割を明確にして認知症の人も受け入れられるよう準備している。十分な数の病床はありしっかり受け入れていきたい」と話していました。