日本相撲協会 約900人に抗体検査 5人が新型コロナ抗体保有

日本相撲協会 約900人に抗体検査 5人が新型コロナ抗体保有
日本相撲協会は、新型コロナウイルスに感染したことがあるかを調べる「抗体検査」をおよそ900人の協会員に実施した結果、5人が抗体を保有していたと発表しました。この5人のうち4人はPCR検査の結果「陰性」で、残る1人も治癒しているとみられるということです。
大相撲では、これまでに力士と親方の合わせて7人が新型コロナウイルスに感染したことが明らかになっていて、このうち、ことし5月には、高田川部屋に所属していた三段目の勝武士が新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全のため28歳で亡くなりました。

こうした中、日本相撲協会は、ことし5月下旬から先月中旬にかけて高田川部屋に所属する協会員を除いて、検査を希望した力士や親方などの協会員、合わせて891人に対しウイルスに感染したことがあるかを調べる「抗体検査」を実施しました。

その結果、検査を実施した人のうち5人が抗体を保有していたということです。

この5人のうち4人はPCR検査を受けた結果「陰性」で、残る1人も現時点では治癒しているとみなすことができるとして、相撲協会によりますと、いずれも本場所の出場に支障はないということです。

八角理事長は「このたびの抗体検査は、協会員が自発的に検査を受け、意義があり7月場所に向けて稽古に専念できる環境が整いました。1人の力士が亡くなったことは痛恨の極みであり今後、絶対にそのような事態に陥らないよう協会員の健康管理・感染防止を徹底する所存です」とコメントしています。

相撲協会では、今月13日に臨時理事会で抗体検査の結果などを踏まえて7月場所の開催について正式に決定する方針です。

白鵬「土俵にいることが意味」

今月19日から予定されている大相撲7月場所を前に、横綱 白鵬が取材に応じ「現役の横綱は2人。やっぱり土俵にいることが意味がある」と意欲を見せました。

ことし3月の春場所で43回目の優勝を果たした横綱 白鵬は、6日、報道陣の電話での取材に応じ、「今はやれることをやっている。このごろ、また新規感染者が増えていっているのがいちばん怖い」と率直な心境を話しました。

白鵬は、先月から所属する宮城野部屋でぶつかり稽古をして調整しているということで、「いよいよという感じですね。ずっと体作りとか準備はずっとしてきたので、あしたからでも稽古ができるという感じです」と近況を話しました。

一方で、相撲協会が出稽古を禁止していることから、「それがちょっと難しい。今までないので、そのまま場所を迎えるのはちょっと想像できないね」と今後の調整への戸惑いも見せました。

7月場所に向けては、「今、現役の横綱2人ですから。やっぱり土俵にいることが意味がある。無観客は3月にも経験しているので、経験を生かしてやっていきたい」と意欲を見せていました。

鶴竜「ベストを尽くしてやるしかない」

去年の名古屋場所以来となる優勝を目指す横綱 鶴竜は、6日、電話での取材に応じ、「場所に向けてどういう状況でどうなるか分からないが、ベストを尽くしてやるしかないですね」と異例の状況の中でも平常心を強調しました。

鶴竜は、場所に向けて相撲を取る稽古を近く始める予定だとしていますが、ほかの部屋の力士と稽古を行う「出稽古」はできない状況が続いています。

これについて鶴竜は「やはり当たり前にやってきた出稽古ができないというのはちょっと不安がある」と調整の難しさを明かしました。

それでも2週間後に迫った7月場所に向けて、「楽しみにしているファンもいるので、そこは変わらずに意識して相撲を取りたい」と意欲を示していました。