フィリピン バスの感染対策 条件厳しく事実上運行できず

フィリピン バスの感染対策 条件厳しく事実上運行できず
フィリピンでは、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、「ジプニー」と呼ばれる乗り合いバスの運行再開が3日から首都マニラで認められました。しかし、運行の条件が厳しく、事実上、再開できない状況が続いていて、市民からは不満の声があがっています。
フィリピンの庶民の足、「ジプニー」は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3月中旬から運行が全面的に禁止されていましたが、通勤に支障が出るなど経済への影響が大きいとして、政府は3日から首都マニラの一部の路線について運行再開を認めました。

ただ、フィリピンでは、感染者が多い日で1000人を超えるなど感染拡大のペースは以前より上がっていて、政府は対策として、車内に仕切りを設けたり、乗車率を50%以下に抑えたりするよう義務づけました。

このため、ジプニーの事業者団体によりますと、ほとんどのジプニーが、採算が取れず、運行を再開していないということです。

マニラの主要道路に3日もジプニーの姿はなく、運転手が多く暮らす地区のあちこちにジプニーが止められたままになっていました。

首都だけでおよそ15万人の運転手が収入を絶たれたままだと見られ、このうち30歳の男性の運転手は、家賃が払えず、車内で寝泊まりをしていて、「運行再開の条件は厳しすぎる。非人間的な決定だ」と不満をあらわにしていました。

経済を優先して運行再開を許可したものの、ジプニーが街を走らない状況に市民からは不満の声があがっています。