財政制度等審議会「悪化した財政から目をそらしてはならない」

財政制度等審議会「悪化した財政から目をそらしてはならない」
国の財政制度等審議会は、新型コロナウイルスへの対応で財政が急激に悪化しているとして感染の収束後は財政健全化に向けた改革を着実に進めるべきだという見解を示しました。
国の財政制度等審議会はことしは新型コロナウイルスの影響で審議の時間を十分に確保できなかったとして今後の予算編成に向けた春の提言を見送り、会長の談話を発表しました。

それによりますと、当面の財政運営は新型コロナウイルスの影響から国民の生命と経済社会を守ることが最優先で、2度にわたる補正予算などを速やかに実行しつつ、その効果を検証すべきだとしています。

そして、補正予算を合わせると今年度の一般会計の歳出は160兆円を超え、国債の新規発行額は90兆円を上回るとして「一層悪化した財政から目をそらしてはならない」としています。

そのうえで感染の収束後は、社会保障の給付と負担の見直しなど、財政健全化に向けた改革を着実に進める必要があると指摘しています。

榊原会長は記者会見で「国債の発行残高が1000兆円に近づく財政の現実に警鐘を鳴らしたい。低金利の環境だから大丈夫だという議論もあるが、財政規律は絶対に忘れてはいけない」と強調しました。