東京都「感染拡大しつつある 夜の街への外出控えて」コロナ

東京都「感染拡大しつつある 夜の街への外出控えて」コロナ
東京都内で2日、2か月ぶりに100人を超える新型コロナウイルスの感染が確認されたことを受けて、都が緊急の対策本部会議を開き、「感染が拡大しつつある」として特に感染の確認が相次いでいる夜の繁華街への外出を控えるよう呼びかけました。
都内では2日、緊急事態宣言が出ていたことし5月2日以来、2か月ぶりに、感染の確認が100人を超え、5月25日に宣言が解除されて以降、最も多い107人となりました。

これを受けて都は、緊急の対策本部会議を開き、試験的な運用を始めた新たなモニタリングの数値を専門家が分析した結果について報告しました。

この中では、新規の陽性者の数だけでなく、感染経路が分からない人の数なども、前の週より増えていることが報告されました。

そのうえで、都内では「感染が拡大しつつあると思われる」という分析の結果が示されました。

また、医療提供体制については、「入院患者数が増加傾向にあることや、人員を含めた病床の準備に相当の時間を要する」などとして、今後の感染の拡大に備え、「体制強化の準備が必要であると思われる」という分析結果が示されました。

小池知事は「感染拡大に警戒を要する段階と認識している。今後の感染者数の動向はさらなる警戒が必要だ。夜の街、夜の繁華街への外出などを控えていただきたい。事業者には引き続き、業界団体が作成した感染拡大の予防ガイドラインに基づく再度の徹底をお願いしたい」と述べ、特に感染の確認が相次いでいる夜の繁華街への外出を控えるよう呼びかけました。

都のモニタリング 最新の分析結果は

東京都は、感染状況と医療提供体制のモニタリングの最新の分析結果を発表しました。

「感染状況」の項目では、新たな感染者数は1週間の平均で56.9人、新たな感染者のうち感染経路がわからない人の数は1週間の平均で27.1人、増加比率は158.5%と、いずれも前の週と比較して上昇しています。

専門家は「新規陽性者の増加は積極的な検査数の増加によるものだけではない。この状況が4週間継続すると感染経路が分からない新規陽性者がおよそ6倍、1日あたり160人程度発生しさらに4週間継続すると現在のおよそ40倍になる」などとして、感染状況の総括コメントは4段階の上から2番目、「感染が拡大しつつあると思われる」としています。

また、「医療提供体制」の項目では、検査の陽性率が3.4%、入院患者の数が271人と、いずれも前の週と比較して上昇しています。

専門家は「陽性率の上昇は新宿の検査スポットなどでの積極的な調査による新規陽性者の増加の影響を受けていると思われる」などとして、医療提供体制の総括コメントは4段階の上から3番目、「体制強化の準備が必要であると思われる」としています。

都のモニタリング 発表方法は

東京都は、「感染状況」と「医療提供体制」について、合わせて7つの項目で毎日、モニタリングを行い、医師や感染症の専門家による分析結果に4段階で「総括コメント」をつけて、基本的に週に1回、発表することになりました。

このうち「感染状況」は、新たな感染の確認や感染経路のわからない人の数や増加比率など、いくつかの項目を組み合わせ、地域別の状況も踏まえて総合的に分析することにしています。

そのうえで、「総括コメント」として、
▼「感染が拡大していると思われる」、
▼「感染が拡大しつつあると思われる」、
▼「感染拡大の兆候があると思われる」、
▼「感染者数の増加が一定程度にとどまっていると思われる」
の4段階で発表されます。

また、「医療提供体制」は、入院患者や重症患者の数に加え、重症化しやすい高齢者の入院患者の数などの内訳も踏まえて分析するほか、病床の空き状況なども踏まえて総合的に分析することにしています。

そのうえで、「総括コメント」として、
▼「体制がひっ迫していると思われる」、
▼「体制強化が必要であると思われる」、
▼「体制強化の準備が必要であると思われる」、
▼「通常の体制で対応可能であると思われる」
の4段階で発表されます。