国連安保理 停戦と感染対策で国際協力決議も米中が場外で応酬

国連安保理 停戦と感染対策で国際協力決議も米中が場外で応酬
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国連の安全保障理事会は1日、新型コロナウイルスの感染拡大が内戦下にある国々に壊滅的な影響を及ぼすとして、停戦と感染対策で国際協力を呼びかける決議を全会一致で採択しました。
この決議は、新型コロナウイルスの感染拡大がとりわけ内戦や人道危機にある国々に壊滅的な影響を及ぼすとして停戦や感染対策で国際協力を呼びかけるもので、安保理で4月から協議されてきました。

しかし、WHO=世界保健機関との連携を盛り込むべきだとする中国とWHOの初動対応には問題があったとして削除すべきだとするアメリカの主張が対立したため3か月近く採決が見送られ、結局、WHOに関する記述をなくすとともに、アメリカが求めてきた感染対策の透明性についても盛り込まない修正案で安保理の議長が全会一致での決議の採択を1日、発表しました。

ただ、発表のあともアメリカが「決議には、感染対策の透明性やデータの共有について言及がない」と改めて中国をけん制し、中国も「アメリカの一方的な態度が安保理の行動を深刻に遅れさせた」と批判するなど米中の応酬が安保理の実効性に影を落としています。