NY株式市場 ナスダック最高値 テスラの時価総額がトヨタ抜く

NY株式市場 ナスダック最高値 テスラの時価総額がトヨタ抜く
1日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価は、小幅な値下がりでした。一方、ナスダックの株価指数は、最高値を更新しています。
1日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価の終値は、前の日に比べて77ドル91セント安い、2万5734ドル97セントで、小幅ながら、3日ぶりに値下がりしました。

新型コロナウイルスのワクチン開発に関連して、製薬大手のファイザーが大幅に上昇した一方でエネルギー関連株が売られ、前日の終値付近での取り引きが続きました。

これに対し、この日も値上がりしたIT関連銘柄の多いナスダックの株価指数は、1万154.629で先月23日につけた最高値を更新しました。

アマゾンやネットフリックスが最高値をつけたほか、同じくこの日最高値を更新した電気自動車メーカーのテスラは、株価に株式数をかけた「時価総額」が日本円で22兆円を超え、自動車メーカーでトップのトヨタ自動車を抜きました。

市場関係者は、「新型コロナウイルスの影響を受けにくいとしてIT関連銘柄は引き続き好調だが、アメリカ国内での感染の再拡大への懸念から株価が安定しない業種も多い」と話しています。
テスラの企業価値を表す時価総額が1日、日本のトヨタ自動車を抜いて自動車メーカーとして世界一になりました。

「時価総額」は株価に発行済みの株式数をかけたもので、企業価値を示す代表的な数値の1つです。

1日、テスラ株の終値は最高値の1119ドルをつけ、これに株式数をかけた時価総額は2077億ドル余り、日本円で22兆2200億円でした。これは、トヨタ自動車の21兆7185億円を上回り、テスラは自動車メーカーで世界一になりました。

アメリカ西海岸を拠点に創業したテスラは、独自開発の電気自動車が環境問題に敏感な層などに支持されたほか、比較的価格が低い車種などにも力を入れ、売り上げを伸ばしてきました。

カリスマ経営者とも言われるイーロン・マスクCEOの言動から株価が乱高下する時期もありましたが、電気自動車の分野でトップを走るメーカーへの投資家の期待は大きく、株価は、この1年で5倍に、新型コロナウイルスの感染拡大が続くことしだけでも2.6倍になりました。

トヨタの年間生産台数1074万台に対し、テスラはわずか36万台余りで、時価総額の逆転は「過剰な評価だ」という声もありますが、自動車産業にとって象徴的な出来事とも言えそうです。