国際

ニューヨーク市の飲食店 屋内の営業再開延期 感染再拡大が影響

新型コロナウイルスの感染者の増加傾向が続くアメリカでは、比較的落ち着いていたニューヨーク市が、来週に予定していた飲食店の屋内での営業再開を延期するなど、感染の再拡大がアメリカ全体の社会経済活動にも影響を及ぼしています。
アメリカでは、南部テキサス州や西部カリフォルニア州のほか、中西部のウィスコンシン州などでも増加が顕著で、ABCテレビなどの分析では、感染者が増加傾向にある州は全体の4分の3を超える38の州に上っています。

こうした事態を受けて、ニューヨーク市は来週に予定していた飲食店の屋内での営業再開を当面、延期することを1日、明らかにしました。

ニューヨークでの感染状況は比較的落ち着いていますが、記者会見したデブラシオ市長は「全米の状況をみると、レストランやバーの店内での飲食が問題となっている」と述べました。

また、ニューヨーク州のクオモ知事は「マスクの着用や人との距離をとるなどの感染防止のための行動が緩み始めている」と述べ、感染が再び拡大することへの警戒を強めています。

ニューヨーク州は、旅行者の隔離を義務づける州をこれまでの8州から16州に拡大することをすでに決めていますが、感染の再拡大が、一度は感染者を抑え込んだ地域の社会経済活動にも影響を及ぼしています。
一方、西部カリフォルニア州のニューサム知事が1日、会見し、州内での感染者が増え続けているとして、1日からレストランやワインの醸造所などの屋内での営業を再び禁止すると発表しました。

対象となる地域は主要都市のロサンゼルスを含む合わせて19の郡で、期間は少なくとも3週間だということです。

またニューサム知事は会見で、外出時にはマスクなどで口元を覆うよう改めて市民に呼びかけました。

カリフォルニア州は人口がおよそ4000万人と全米で最も多く、いち早く外出制限を始めるなど対策を続けていますが、感染の拡大に歯止めがかかっていません。

トランプ大統領 マスク義務化に否定的

新型コロナウイルスの感染者の増加傾向が続くアメリカで、マスクの着用を義務づける大統領令が必要だという声があがっていることについて、トランプ大統領は1日、FOXビジネスネットワークのインタビューで、「義務化する必要があるかはわからない」と述べ、否定的な考えを示しました。

その理由についてトランプ大統領は「この国には、人々が互いに十分に長い距離をとれるところが多くある」と述べました。

一方で「私はマスクには賛成だ。マスクはよいものだと思う。人との距離が近ければマスクを着用するだろう」と述べ、必要に応じて、みずからも着用する考えを示しました。

マスクをめぐっては今週、ニューヨーク州のクオモ知事が、マスクの着用を義務づける大統領令が必要だと主張したのに対して、ホワイトハウス側は「個人の選択だ」として、政府による義務化までは必要ないとしています。

特集

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。