新型コロナ 院内感染で患者43人死亡 病院が謝罪 東京 台東区

新型コロナ 院内感染で患者43人死亡 病院が謝罪 東京 台東区
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新型コロナウイルスの大規模な院内感染が発生し、患者43人が死亡した東京 台東区の永寿総合病院の病院長が1日、記者会見し、院内での感染拡大について謝罪しました。そのうえで、「マスクや消毒などの基本的な感染対策が不十分な点があった」と述べ、再発防止に向け、感染対策を徹底することの重要性を強調しました。
永寿総合病院ではことし3月以降、新型コロナウイルスの院内感染が発生し、入院患者109人と医師などの職員83人、そして患者の家族など22人の合わせて214人の感染が確認され、入院患者43人が死亡しました。

病院の湯浅祐二院長は、感染が明らかになって以降初めて、東京 千代田区の日本記者クラブで記者会見し、感染拡大を防げず、多くの人が亡くなったことなどを謝罪しました。

続いて湯浅院長は、4月上旬にはPCR検査の結果が出るたびに予想外に広範な感染の広がりが明らかになり、血液の病気や進行したがんの患者など、高齢の患者が多く、アビガンやフサンなどの薬を早期から使ったが、救命できなかったと説明しました。

そして、「もともと発熱や肺炎を起こしている患者も多く、無症状でも気付かないうちに感染を広げるという認識が浸透しておらず、感染を疑うタイミングが遅れた。マスクや消毒などの基本的な感染対策が不十分な点があった」と振り返りました。

病院では、現在は感染者はおらず診療を再開しており、症状が少しでも疑われる患者や入院患者全員に検査を行い、職員の消毒の徹底やマスクをせずに複数で休憩や飲食することの禁止などの対策をとっているということです。

さらに、湯浅院長は、アパートからの退去や、家族が通園や通学の拒否にあった職員がいたと説明し、「感染の恐怖と闘いながら毎朝、病棟に向かっていく姿にかけることばが見つからず、このような任務を背負わせたことを申し訳なく思った」と涙を浮かべながら語りました。

そして、今後に向けて、「1人でも感染対策を怠らないよう徹底することが必要だ」と述べ、改めて基本的な対策を徹底することの重要性を強調しました。