羽田空港ターミナルビル 閉鎖していた国内線エリアが再開

羽田空港ターミナルビル 閉鎖していた国内線エリアが再開
航空需要が回復する中、羽田空港では、閉鎖していたターミナルビルの国内線エリアがおよそ2か月半ぶりに再開しました。
羽田空港では新型コロナウイルスの影響で利用客が大幅に減り、国内線が発着する第1ターミナルと第2ターミナルの一部を閉鎖し、保安検査場やチェックインカウンターを縮小するなどしていました。

日本航空や全日空によりますと、先月から利用客が徐々に増え、今後も増加が見込まれるということで、国内線エリアのほぼすべてをおよそ2か月半ぶりに再開しました。

北海道の大学に通う息子に会いに行くという千葉県の50代の女性は「夏休みに入ると空港が混みそうなので、今がチャンスかなと思い、行くことに決めました。3か月ぶりに会えるので楽しみです」と話していました。

日本航空 路線統括本部、本田俊介執行役員は「搭乗客が増えても大型の旅客機を導入したり増便したりするなどして密にならないように対策を徹底していきたい」と話しています。

感染対策強化 自動運転の車いすも

ターミナルビルの国内線エリアの再開に伴い、オープンしたカウンターでは、飛まつを防止する透明シートの設置や消毒液が配置されているほか、「ソーシャルディスタンス」を呼びかける看板がかけられるなど感染対策の強化が進められています。

対策の中でも、今、注目されているのがこれまで十分な距離を保つことが難しかった車いすの利用者と介助スタッフについて、この課題を解決しようと世界の空港で初めて導入されたという車いすです。

この車いすは、自動運転技術が取り入れられ、介助スタッフなしで保安検査場と搭乗口の間を無人で運転します。タブレット端末で目的地を指定するとセンサーが人や障害物を検知して回避し、最適なルートを進みます。そして目的地で降りると車いすは自動で保安検査場まで戻ります。

導入した日本航空によりますと、空港の規模が大きくなる中で、長距離の歩行に不安を感じるなど支援を必要とする利用者が増えているということですが、新型コロナウイルスの感染が懸念されていたということです。

車いすを開発した「ウィル」の杉江理社長は「いろいろな空港から要望がきているので、調整がつき次第導入を進めていきたい」と話していました。

新たな車いすは第1ターミナルに3台導入され、今後、台数を増やすほか、国内外の空港でも導入を進めていくことにしています。