米製薬会社「イノビオ」コロナワクチンの臨床試験を次の段階へ

米製薬会社「イノビオ」コロナワクチンの臨床試験を次の段階へ
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新型コロナウイルスのワクチンを開発中のアメリカの製薬企業「イノビオ」は臨床試験の第一段階で、接種を受けた人の94%で、免疫の働きが確認されたとして、7月以降、さらに多くの人を対象とした、次の段階の試験に進むと発表しました。アメリカの企業としては2社目になります。
アメリカの製薬企業、「イノビオ」が30日に発表した臨床試験の結果によりますと、接種を受けた36人のうち、94%にあたる34人で、ウイルスの働きを弱める抗体の値が上昇したほか、免疫の働きに重要な細胞の活動が高まったことが確認されたということです。

接種後の体への影響も10人で見られましたが、接種したところが赤くなるといった軽い症状がほとんどで、重症の事例はなかったということです。

開発を担当するケイト・ブロデリック博士はNHKのインタビューに対し「とても良好な結果で、ワクチンの効果にも自信を深めた」と述べ、7月以降、より多くの人を対象にした第二、第三段階の臨床試験に進む予定を明らかにしました。新型コロナウイルスのワクチンの開発で第二段階に進むのはアメリカの企業としては2社目となります。

WHO=世界保健機関によりますと、世界では29日現在で17種類のワクチンについてヒトでの臨床試験が行われています。このうち少なくとも5種類が第二段階に進んでいて、中には年内か来年の早い時期に生産を開始できるとする見通しを示している企業もあります。

しかし、新型コロナウイルスへの抗体の働きについてはまだわかっていないことが多く残されているほか、ヒトの体への安全性を慎重に検証する必要が指摘されています。