シルク・ドゥ・ソレイユ 事業再生手続きへ コロナで収益ゼロに

シルク・ドゥ・ソレイユ 事業再生手続きへ コロナで収益ゼロに
サーカスや芸術的なパフォーマンスで世界的な人気を誇るカナダの劇団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の運営会社は29日、裁判所に企業債権者調整法の適用を申請し、事業再生手続きに入ると発表しました。地元メディアは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う公演の中止で興行収入がなくなり、資金繰りに行き詰まったと伝えています。
「シルク・ドゥ・ソレイユ」は、カナダのケベック州、モントリオールに本社のある劇団で、日本を含む世界各国で公演し、芸術的なパフォーマンスで人気を集めていますが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ことし3月から公演を中止していました。

こうした中、運営会社は29日、カナダの裁判所に企業債権者調整法の適用を申請し、事業再生手続きに入ることを公式サイトで明らかにしました。

発表では負債額は明らかにしていませんが、カナダの公共放送CBCによりますと、会社はおよそ9億ドル、日本円で970億円の債務を抱えていて、興行収入がなくなり、資金繰りに行き詰まったということです。

運営会社は、およそ3500人の従業員を解雇するほか、アメリカの破産裁判所に破産法の適用を申請することも検討するとしています。

ダニエル・ラマ-社長は、「すべての公演の中止を強いられ、収益がゼロになるなか、会社の将来を守るために決断力をもって対応しなければならなかった」とコメントしています。