全身の血管の炎症 コロナ若い世代調査「川崎病と異なる」米CDC

全身の血管の炎症 コロナ若い世代調査「川崎病と異なる」米CDC
アメリカで、新型コロナウイルスの感染が疑われ、全身の血管に炎症が起きる「川崎病」に似た症状を示した若い世代の患者およそ200人を詳しく調べたところ、心臓や血管などに炎症は起きていたものの、「川崎病」とは異なるとみられるとする分析結果を、アメリカのCDC=疾病対策センターなどの研究グループがまとめました。
研究グループは、3月15日から先月20日までに、アメリカの26の州の医療機関に入院した、0歳から21歳までの重症患者186人の症状を調べ、その結果をアメリカの医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表しました。

それによりますと、患者は肺炎などの症状に加えて、80%が心臓や周囲の血管に炎症、59%が皮膚に発疹があり、全身の血管に炎症が起きる「川崎病」に似た症状を示すケースが多かったものの、ショック症状を起こして血圧を上げる治療などが必要になったケースが50%に上るなど、「川崎病」とは性質が異なるとみられるということです。

欧米では、新型コロナウイルスの感染が拡大したあと、「川崎病」に似た症状を示す子どもの患者の報告が相次ぎ、関連を指摘する声が出ていました。

研究グループは、「川崎病」ではなくても、新型コロナウイルスは若い世代でも症状が重くなる場合があり、症状が進行するまで数週間かかることもあるとしています。

CDCは、子どもなど若い世代で感染が疑われる場合には、健康状態を注意深く観察する必要があるとしています。