京都五山送り火 文字など描かず規模縮小で実施へ 新型コロナで

京都五山送り火 文字など描かず規模縮小で実施へ 新型コロナで
京都のお盆の伝統行事「京都五山送り火」は、新型コロナウイルスの影響で、ことしは火をたく火床(ひどこ)の数を減らして、文字や形を描かずに規模を大幅に縮小して実施することになりました。
8月16日の夜に行われる「京都五山送り火」は、お盆に迎えた先祖の霊を送る京都の伝統行事で、「大」や「船形」などの文字や形が京都市を囲む5つの山々に炎で描かれます。

ことしの送り火について、主催する京都五山送り火連合会は27日、会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、規模を大幅に縮小して実施することを明らかにしました。

具体的には、火をともす保存会の会員や観光客などが密集するのを防ぐため、願い事などが書かれた護摩木(ごまぎ)をたく山の火床の数を、「大」は5つの端と中心の合わせて6つ、「船形」は帆柱の頂点のみに減らすなどして、文字や形には見えない方法で行うということです。また、点火や消火の時間なども今後、検討するとしています。

「京都五山送り火」は戦争で中止になったことはありますが、規模の縮小は初めてで、ことしは一般向けの護摩木の販売も行わないということです。

京都五山送り火連合会の長谷川英文会長は「送り火の原点に立ち返り、小さな火でも実施することを決めた。新型コロナウイルスで亡くなった方を悼む機会にもなればと思う」と話していました。