米副大統領 感染者急増も楽観的な見方強調 新型コロナ

米副大統領 感染者急増も楽観的な見方強調 新型コロナ
アメリカで新型コロナウイルスの感染者が急増する中、トランプ政権の対策本部は2か月ぶりに記者会見を開き、ペンス副大統領は「2か月前の状態に戻ったと感じている人もいるかもしれないが、状況はずっと良くなっている」と述べて、楽観的な見方を強調しました。
アメリカでは、南部や西部の州を中心に新型コロナウイルスの感染者が急増し、1日当たりの新たな感染者が3万人を超える状態が続き、ことし4月と同じ水準に達しています。

こうした中、トランプ政権の対策本部は26日、およそ2か月ぶりに記者会見を開きました。対策本部の責任者のペンス副大統領は全米の34の州では感染者数は安定している一方、16の州では増えているという認識を示しました。

そのうえで新たな感染者のおよそ半数は35歳未満の若い世代だとしたうえで「若者は比較的、症状が深刻化しににく、これは良いことだ」と述べました。そして「2か月前の状態に戻ったように感じる人もいるかもしれないが状況はずっと良くなっている」と述べて、楽観的な見方を示し、政府の対策が効果をあげていると強調しました。

トランプ政権のウイルスへの対応をめぐっては経済活動の再開を重視したことが感染者の増加を招いたという批判が高まっていて、国民に政府の対策や立場を説明して、理解を求める狙いがあるとみられます。

一方、トランプ大統領はことし3月や4月には対策本部の記者会見に連日出席し、持論を展開したことから野党などから「選挙集会のようだ」とやゆされたこともありましたが26日の記者会見には姿を見せませんでした。

トランプ大統領の支持者集会を擁護

一方、ペンス副大統領は記者会見で、トランプ大統領が南部オクラホマ州で今月20日、支持者を集めた大規模な集会を3か月ぶりに再開したことについて問われると、「言論の自由や平和的に集会を開く権利は合衆国憲法で認められている。そして秋には選挙がある」と述べ、問題ないと主張し、擁護しました。

この集会をめぐっては、オクラホマ州で新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあることから、地元の保健当局などが中止を求めていましたが、トランプ陣営は必要な対策をとったとして、開催に踏み切りました。

しかし、準備にあたっていた陣営のスタッフが相次いでウイルスに感染していたことなどがわかり、感染防止対策より選挙に向けた活動を優先させたとして、批判の声があがっています。