広島の平和記念式典 国連事務総長の初出席断念 次長出席で調整

広島の平和記念式典 国連事務総長の初出席断念 次長出席で調整
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国連のグテーレス事務総長は原爆投下から75年となる、ことし8月の広島の平和記念式典への初めての出席を計画してきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で日本への入国禁止が続いていることなどから断念し、中満泉事務次長が出席する方向で、調整が進められていることが関係者の話で分かりました。
国連のグテーレス事務総長は、ことしが原爆投下から75年の節目となることや、世界の核軍縮が停滞する中で核軍縮の機運を高めたいとして、8月6日の広島の平和記念式典に初めて出席する計画を進めていました。

しかし、国連外交筋や国連関係者によりますと、新型コロナウイルスの感染拡大で、アメリカに滞在する外国人の日本への入国を禁止する措置が続いているうえ、今後、入国が認められたとしても自主隔離を求められるとして、訪問を断念したことが分かりました。

これについて別の国連関係者は「核兵器の使用から75年という節目に、国連が世界に向けて力強いメッセージを発信するため事務次長の出席はありえる」として、軍縮を担当する日本人の中満泉事務次長が、日本で14日間の自主隔離のあと、式典に出席する方向で調整が行われていることを明らかにしました。

グテーレス事務総長は25日の記者会見で、「いかなる場合でも広島や日本の人たちとの連帯を示す、私の力強いメッセージを送る」と述べ、式典に出席できない場合は、ビデオメッセージを送る考えを示していました。

国連の事務総長では、2010年に当時のパン・ギムン(潘基文)事務総長が初めて広島の式典に出席したほか、グテーレス事務総長自身もおととし、長崎の式典に初めて出席しています。