コロナ禍の1月~4月 関東地方のCO2濃度増加量 例年より減 JAXA

コロナ禍の1月~4月 関東地方のCO2濃度増加量 例年より減 JAXA
新型コロナウイルスの感染が拡大していた、ことし1月から4月までの間、関東地方の二酸化炭素濃度の増加量が例年よりも減少したことが人工衛星の観測でわかったと、JAXA=宇宙航空研究開発機構が公表しました。
JAXAは、新型コロナウイルスの感染が拡大していた時期の人工衛星の観測データを分析しました。

その結果、温室効果ガスの観測衛星「いぶき」が計測した、ことし1月から4月までの関東地方の二酸化炭素濃度の増加量のデータを、去年までの4年間の平均と比較したところ、いずれの月も減少していて、特に2月と3月は、赤やオレンジ色で示される増加量の多い地域が大幅に減っていたということです。

このため関東地方の二酸化炭素濃度の増加量は、4か月の平均で4ppm低下していて、これは大気中の二酸化炭素濃度の1%程度に相当し、JAXAは多くの社会活動が自粛された影響の可能性があるとしています。

JAXAは、このほかにもアメリカやヨーロッパの宇宙機関とともに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響と見られる人工衛星の観測データをホームページで公開しました。

JAXA第一宇宙技術部門の平林毅宇宙利用統括は、「こうしたデータがどのような意義があるのか、各分野の研究者に利用してもらいたい」と話していました。