日食 太陽はなぜ隠れるの?

日食 太陽はなぜ隠れるの?
国内ではおよそ半年ぶりに観測された部分日食。皆さん、日食がどんな仕組みで起こるのか、ちゃんと理解していますか?入試問題を見ながら考えていきましょう。

入試問題に挑戦!

問題
「ある天体が他の天体の一部または全部をおおいかくす現象を『食』といいます。太陽がかくされてしまう現象を日食といい、2012年には右のような金環日食を見られました。これは2030年に再び北海道で見ることができます。また、2035年には北陸から北関東で太陽がすべて月にかくされてしまう皆既日食が見られます。
地球から太陽までの距離は変わらないものとしたとき、金環日食になったり皆既日食になったりするのはなぜですか。」
                  雙葉中学校 2020年 改題
右が金環日食で左が皆既日食です。同じ太陽と月なのに、どうして違う現象が起こるのでしょうか。国立天文台天文情報センターの准教授、縣秀彦さんにお話をうかがいました。

地球、月、太陽が一直線に

最初に、日食というのはひと言で言うとどういう現象なのでしょうか。
縣さん
「太陽と月と地球が一直線に並ぶ現象です。地球から見る太陽を月が隠す」
宇宙から見てみると、地球、月、太陽が一直線上に並んだとき、太陽の光が月にさえぎられて月の影が地球の上に落ちます。この影の中にいると、日食を見ることができるのです。

偶然の比率

次に地球と月、太陽の距離、そして、それぞれの大きさに秘密があるといいます。月のサイズは地球の約4分の1。そんなに小さいのに、なぜ、大きい太陽を隠せるのでしょうか。
地球から太陽までの距離と、地球から月までの距離は、400対1の比率です。
一方、太陽と月の直径の比も約400対1。そのため、太陽と月と地球が一直線に並ぶと、ぴたりと重なります。
縣さん
「大きさの違う太陽と月という2つの丸い物体が、地球からだとたまたま同じ大きさに見えてしまうんです。それは、とてもとても幸運な偶然です」

皆既日食と金環日食の違い

では、問題にある皆既日食と金環日食では何が違うのでしょうか。
月は地球の周りをわずかにだ円を描きながらめぐっています。そのため地球から距離が近くなったり遠くなったりします。
月が太陽を完全に覆い尽くした場合、皆既日食になります。その時より月が地球から離れていると、見た目の月が小さくなります。太陽を全部覆い隠せないので金環日食になります。
縣さん
「この問題では太陽と地球の距離が変わらないとしたら、見かけ上大きさが変わるのはなぜかと考えたら、月が近かったり遠かったりするしかないとなります。これは、たぶん小学生でも気づけることだと思います」
月の軌道がだ円であると知らなかったとしても、遠近の感覚で見た目の大きさが変わることを理解していれば答えられる問題だといいます。縣さんは、日食は偶然から生まれた奇跡のような現象だといいます。
縣さん
「日食はとても神秘的な現象でもあるし、理屈を知っていれば知っているほど日食を見られるのはなんてラッキーなんだろうと感じられることでもありますよね。特に若い人たち、子どもたちが興味持ってくれるといいなと思ってます」
ということで答えは「地球から月までの距離が変化するから」。

今回の日食では、アフリカ、インド、中国などで金環日食が見られました。
金環日食になる場所に近いほどたくさん欠けるので、那覇では直径の8割以上が欠けて、北へ行くほど欠ける割合が小さくなるという部分日食になりました。

問題にもありましたが、日本で金環日食が見られるのは、2030年に北海道で。また、2035年には北陸から北関東で太陽がすべてかくされてしまう皆既日食が見られます。ちょっと先ですが、楽しみにしていましょう。
「週刊まるわかりニュース」(土曜日午前9時放送)の「ミガケ、好奇心!」では、毎週、入学試験で出された時事問題などを題材にニュースを掘り下げます。
「なぜ?」、実は知りたい「そもそも」を、鎌倉キャスターと考えていきましょう!