コロナ拡大防止へ紛争の即時停戦求め共同声明 米ロなど不参加

コロナ拡大防止へ紛争の即時停戦求め共同声明 米ロなど不参加
日本を含むおよそ170か国は22日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、紛争当事者に即時停戦を求める共同声明を発表しましたが、感染者数の多いアメリカやロシアなどが加わらず、国連が呼びかける国際協調にも影を落としそうです。
この共同声明はことし3月、国連のグテーレス事務総長が新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、すべての紛争当事者に即時停戦を求めた呼びかけを支持する内容のもので、日本やマレーシアなどがすべての国連加盟国に働きかけた結果、22日、およそ170か国の共同声明として発表されました。

声明では、新型コロナウイルスへの対策について「ウイルスを抑え込むために世界が協調し、連帯することの大切さを再確認する」としています。

ただ、国別の感染者数が最も多いアメリカや3番目のロシア、4番目のインドは声明に加わりませんでした。

その理由についてアメリカ政府関係者は「安全保障理事会でも紛争の停戦に向けた決議を話し合ってきたが、中国が自国の感染対策をアピールしようとした」として中国への不信感を挙げています。

また国連外交筋は、ロシアはシリアの内戦でアサド政権を支援しているほか、インドは中国などと国境をめぐる係争を抱えていることを指摘しています。

今回の声明で、感染者数で上位を占める国の賛同が得られなかったことで、国連が呼びかける感染防止に向けた国際協調にも影を落としそうです。