米海軍 原子力空母の集団感染 解任の前艦長が適切な措置とらず

米海軍 原子力空母の集団感染 解任の前艦長が適切な措置とらず
アメリカ海軍の原子力空母で発生した新型コロナウイルスの集団感染をめぐり、海軍は空母の前艦長がウイルスの拡散を防ぐための適切な措置をとらなかったことが感染の拡大を招いたとする調査結果を発表しました。
アメリカ海軍の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」は、太平洋を航行中のことし3月、新型コロナウイルスの集団感染が発生し、乗組員1200人以上が感染して、このうち1人が死亡したほか、グアムで感染者の隔離や船内の消毒に追われ、およそ2か月間にわたり、事実上の活動停止を余儀なくされました。

空母での集団感染について、アメリカ海軍は19日記者会見し、軍による調査結果を発表しました。

それによりますと、3月に情報漏えいを理由に空母の艦長を解任されたクロージャー大佐が乗組員どうしの距離を十分にとらせなかったほか、船から降ろすのが遅れるなどウイルスの拡散を防ぐための適切な措置をとらなかったことが、感染の拡大を招いたということです。

会見した海軍のギルデイ作戦部長は「乗組員の安全と健康、そして空母を運用可能な状態に保つという義務を果たしていない」と述べ、クロージャー大佐の艦長への復職は認めないほか、将来も指揮官のポストには就かせない方針を示しました。

今回の事態を受けて、アメリカ海軍では艦艇が展開する前に乗組員全員に検査と一定期間の自主隔離を求めるなど、部隊運用への影響を避けるための感染防止策に追われています。