大学入学共通テスト 1月16日から コロナに備え追試験を2回実施

大学入学共通テスト 1月16日から コロナに備え追試験を2回実施
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今年度実施される大学入試の指針となる要項を文部科学省は19日まとめました。このうち、大学入学共通テストは予定どおり、来年1月16日から2日間行われますが、新型コロナウイルスに備えて、追試験を2回実施するなど、かつてない対応を取ることになります。
文部科学省は、今年度行われる大学の一般入試や推薦入試などの指針となる「実施要項」を19日まとめました。

今回の要項は、新型コロナウイルスの感染拡大で全国の高校が長期間休校となったため、試験の日程や出題範囲などに注目が集まっていました。

このうち、これまでのセンター試験に代わって行われる大学入学共通テストは、予定どおり来年1月16日と17日の2日間実施されます。試験会場では、新型コロナウイルス対策として受験生どおしの距離を取ることや、換気を徹底することなどを求めています。

また、その2週間後に、全国47都道府県で追試験を行いますが、休校による学習の遅れなどを理由に、最初からこの追試験を選んで受験できるとしています。

さらに、受験生が新型コロナウイルスに感染した場合などのため、2月13日から2日間、再度、追試験を行うということです。

かつてのセンター試験でも、平成22年に新型インフルエンザの影響で、全国で追試験が実施されたことがありましたが、今回のように2回行われるのは初めてとなります。

これまでAO入試と呼ばれた総合型選抜は、スポーツ大会や検定試験が相次いで中止されたため、出願の時期を2週間遅らせて、9月15日からとなりました。

学校推薦型選抜の出願の時期は予定どおり11月1日からとなっています。

このほか、国公私立の大学が個別に実施する試験については、日程は予定どおりとされましたが、受験生に配慮して、すべての大学に追試験の実施や追加の受験料を徴収しないことなどを求めています。

文部科学省は、こうした入試の要項を全国の高校や大学などに通知することにしています。

大学入学共通テスト 課題も

今回まとめられた入試の実施要項については、いくつか課題もあります。

大学入学共通テストの追試験は、これまで全国2つの会場で実施されていたのを、47都道府県に拡充するため、試験会場や人員の確保が急務となります。

また、追試験を受験する人数も、従来は200人から300人程度でしたが、今回は学習の遅れがある生徒が最初から受験できるため、想定することが難しく、事前に意向を調査する必要があります。

また、試験問題も本番と追試験の合わせて3回分を同じ難易度で用意する必要があります。

さらに感染の第2波や第3波が受験時期と重なった場合は、改めて試験日程を検討する必要があります。

出題範囲については、共通テストの成績を活用する大学に、必要とする科目の削減などを求めていますが、最終的な判断は大学に委ねられるため、実現するかどうかは不透明です。

専門家「大学側がしっかり準備し覚悟を」

大学入試に詳しい東京大学大学院教育学研究科の中村高康教授は「制約がある中でなかなか難しい決定だったと思うが、これで十分ではない。今の受験生はこれまでの入試改革も含めて翻弄され苦労した世代だ。サポートは、試験の日程などだけではなく、各大学の個別入試の出題範囲や受け入れる人数を増やすなどフォローしなければいけない。入試は、文部科学省のリーダーシップも非常に重要だが、各大学が実施するものなので、受験生のことを考えているのか大学も見識が問われると思う。試験会場や監督者の確保など、少々しんどくても実施する大学側がしっかりと準備して覚悟を示すことが必要だ」と指摘しています。