「大阪都構想」協定書案が賛成多数で可決 2度目の住民投票へ

「大阪都構想」協定書案が賛成多数で可決 2度目の住民投票へ
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いわゆる「大阪都構想」の設計図を検討する法定協議会が開かれ、今の大阪市を廃止し4つの特別区に再編するとした協定書案が、賛成多数で可決されました。大阪市の松井市長は、ことし11月1日に2度目の住民投票を実施したいという考えを示しました。
大阪府知事や大阪市長、それに府議会と市議会の主要会派の代表者で構成する法定協議会では、政令指定都市の大阪市を廃止して、4つの特別区に再編するとしたいわゆる「大阪都構想」の協定書案を審議してきました。

19日の協議会で、協定書案の採決が行われ、二重行政の解消などを掲げる大阪維新の会のほか、公明党や自民党大阪府議団の賛成多数で可決・決定されました。

一方、共産党と自民党大阪市議団は、「今、必要なのは新型コロナウイルスへの対応であって、大阪市の廃止ではない」などとして反対しました。

協定書案は、総務省の審査を経て、大阪府議会と大阪市議会に諮られます。

両議会で承認されれば、5年前の平成27年に続いて、大阪市の有権者を対象とした2度目の住民投票が行われますが、両議会とも賛成派の大阪維新の会と公明党が過半数の議席を占めていることから、住民投票の実施が事実上、決まりました。

大阪維新の会の代表を務める大阪市の松井市長は、記者団に対し「今の時点で11月1日に住民投票を実施したいという思いで、国との協議や議会での議決を目指す。新型コロナウイルスの状況は加味しないといけないが、今の状況であれば、11月がベターな日程だと思っている」と述べました。

協定書案の中身は

いわゆる「大阪都構想」は、東京23区をモデルに政令指定都市の大阪市を廃止して4つの特別区に再編し、この特別区が子育てや福祉など住民に身近な行政を担う一方、成長戦略や消防などの広域行政を大阪府に一元化する構想です。

協定書案では、今の大阪市を廃止して、新たに「淀川区」「北区」「中央区」「天王寺区」の4つの特別区を設置するとしていて、特別区への移行日は「大阪・関西万博」が開催される令和7年の1月1日としています。

4つの特別区には、淀川区に新大阪、北区には梅田、中央区はミナミ、天王寺区には阿倍野とそれぞれ拠点となる商業地などが組み込まれています。

また、住民の利便性を維持するため、大阪市役所をはじめ現在の24区の庁舎を、特別区の本庁舎や行政窓口などとして活用することにしています。

財政面では、安定した住民サービスを提供できるよう、最初の10年間は、大阪府から毎年、特別区に一定額を支出するとしています。

また、4つの特別区のすべてに児童相談所を設置するほか、大阪府に、特別区との調整業務を担う「特別区連携局」や、消防を統括する「消防庁」などの新しい組織を新設するとしています。

さらに、各特別区の区議会議員の定数は、「淀川区」が18人、「北区」と「中央区」が23人、「天王寺区」が19人となっています。

一方、特別区への移行にかかる当初のコストは、システム改修費に182億円、庁舎の整備費に46億円、まちの案内表示などを変更する費用などに13億円の合わせて241億円を見込んでいます。

これに対し、反対派からは、大阪市の廃止で福祉や教育など住民サービスが低下するおそれがあるという指摘や、特別区の設置に伴い新たなコストが発生するほか、特別区が財政的に成り立つのか疑問だといった意見が出ています。

自民 府議団幹事長「府域全体の最適化期待し賛成」

自民党大阪府議団の杉本幹事長は、記者団に対し「府議団の中では、広域行政の一元化や大阪市の権限や財源、人材が大阪府に移ることで、府域全体の最適化が期待できるなどの賛成意見が多数を占めたことから、協定書案に賛成の立場を取った。ただ、すべての府議会議員が賛成ということではない」と述べました。

自民 市議団副幹事長「市民にとって大変なことに」

自民党大阪市議団の川嶋副幹事長は、記者団に対し「こういう状況で住民投票に進み大阪市が廃止分割されることになったら、市民にとって本当に大変なことだ。これからの経済情勢や国、地方の財政状況も考えたときに、『都構想ですか』というと違う。論点を整理して、市民に分かりやすく伝える努力をしたい」と述べました。

立民 府連副代表「住民投票やるべきではない」

立憲民主党は、協定書案の決定を受けて記者会見を開き、大阪府連の尾辻副代表は、「住民が集まって議論することもままならない今の状況で、大阪市をなくすかどうかを決めるのはあんまりだ。新型コロナウイルス対策で足りないことをやるべきで、暮らしを支える自治体を作らなければならないなか、住民投票をやるべきではない」と述べました。

国民 府連委員長「安全安心こそ急務」

国民民主党大阪府連の「都構想対策委員会」の中村委員長は、「新型コロナウイルスの感染拡大の第2波、第3波が懸念され、社会経済活動が未曽有の危機的状況にあるなか、今は都構想に多大な費用と人員を割くべきときではない。健康・暮らしの安全、安心対策、経済の安定化に取り組むことこそが急務だ」とするコメントを発表しました。

公明 府議団幹事長「丁寧誠実に説明」

公明党大阪府議団の肥後幹事長は、記者団に対し「この1年間、真摯(しんし)に議論を重ねてきた。公明党が要望した4つの改善点も盛り込まれてよりよい協定書案になり、賛成多数で可決されたことはよかった。今後は、市民にどこまでも丁寧に誠実に説明していきたい」と述べました。

共産 市議団団長「デメリット訴える」

共産党大阪市議団の山中団長は、記者団に対し「こんな理不尽なことが議会でまかり通ったとしても、市民に通用するはずはない。住民投票が行われたときは必ず勝利できるように、大阪市廃止が市民にとってデメリットしかないということを強調していきたい」と述べました。