移動の自粛緩和 鉄道・航空各社の取り組みは 新型コロナ

移動の自粛緩和 鉄道・航空各社の取り組みは 新型コロナ
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都道府県をまたぐ移動の自粛が全国で緩和され、新幹線などの利用客が増えるのに備えて、鉄道各社は駅での消毒など感染防止策に取り組んでいます。
このうちJR東海は、東海道新幹線や在来線でことし4月中旬から、券売機のタッチパネルや小銭の投入口などを毎日、駅員がアルコールをひたした布で拭いて消毒しているほか、窓口には飛まつを防ぐ透明のシートを設けています。

また新幹線の車内では空調や換気装置を常時稼働させ、空気をおよそ6分から8分間ですべて入れ替えているということです。

駅員の佐藤康裕さんは「消毒など感染防止策を徹底し利用者が抱える移動への不安を払拭(ふっしょく)していきたい」と話していました。

19日午前中のJR東京駅の新幹線のホームは、例年と比べると利用者の姿はまだまばらですが、地方の家族に会いに行く利用者の姿もみられ、JR東海によりますと、ここ最近、利用者は徐々に増えているということです。

四国で働く息子に会いにいく千葉県の78歳の女性は、「先月の大型連休に会いにいく予定でしたが、やっと会いにいける。手すりを触らないように心がけるなど感染しないようにしたい」と話していました。

航空各社の感染防止対策は?

航空各社の新型コロナウイルスの感染防止対策をまとめました。

航空各社で作る定期航空協会によりますと、ほぼすべての航空会社が、空港と機内では必ずマスクを着用するよう求めていて、航空会社の中には、幼児や特段の理由がある場合を除いて、着用に応じない場合は搭乗を断るところもあるということです。

さらに、航空各社の旅客担当者はマスクや必要があればフェースガードを装着して接客し、客室乗務員も接客する際はマスクや手袋を着けることにしています。

また、日本航空と全日空などでは、空港の保安検査場でのチケットの手渡しを取りやめているほか、客どうしの接触を避けるために、一度に搭乗する人数を制限したり、前後に間隔を空けて列を作るようにしています。

一方、旅客機は飛行中も機内の空気が2分から3分で、すべて入れ代わる仕組みになっています。

また、機内の座席のテーブルやひじ掛けなどについても、定期的に消毒を徹底しているということです。

羽田空港 出張や旅行客目立つように

羽田空港では出張や旅行などに向かう人の姿が目立つようになっています。

先月末に緊急事態宣言が解除されて以降、航空各社は徐々に運航便数を増やし、羽田空港の利用者も回復してきています。

19日、都道府県をまたぐ移動の自粛が緩和され、国内線が乗り入れる羽田空港の第1ターミナルの出発ロビーでは、午前中から大きな旅行かばんなどを持ったサラリーマンや家族連れなどの姿が多く見られました。

仕事と帰省を兼ねて島根県に向かう50代の男性は「地元には高齢の母親がいるので迷いましたが、リモートではできない仕事があり、行くことに決めました。気をつけて過ごす習慣はしみついているので、移動時にも心がけたいです」と話していました。

夫婦で息子のいる沖縄に向かう50代の男性は「解除の日になったのはたまたまだが運がよかった。沖縄でもマスクをしてあまり出歩かないようにします」と話していました。

日本航空によりますと、第1ターミナルの出発ロビーを利用する人は今週に入ってからは一日5000人以上と、緊急事態宣言が解除される前と比べると、4倍近くにまで増えている日もあるということです。

日本航空の内藤建一郎路線事業戦略部長は「徐々にお客さまが戻っていく傾向にあるので、改めて気を引き締めて対策をしていきたい」と話していました。

国内線の便数も徐々に増加

緊急事態宣言の解除を受けて、航空各社は国内線の運航便数を徐々に増やしています。

国土交通省によりますと、国内線の運航便の総数は先月は1か月間でおよそ1万8000便でした。

これが、今月は1か月間で2万5000便となる見込みで、先月と比べて1.4倍近くまで増える見通しとなっています。