ごみ収集車から出火増加 誤って出されたスプレー缶が原因

ごみ収集車から出火増加 誤って出されたスプレー缶が原因
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新型コロナウイルスの感染が拡大したことし3月から先月にかけて、名古屋市で、ごみ収集車から火が出る火災が去年を上回るペースで発生していることがわかりました。消防は外出の自粛に伴って片づけなどをする人が増える中、分別を誤って出されたスプレー缶などによる火災が相次いでいるとして注意を呼びかけています。
これは、名古屋市消防局が、新型コロナウイルスの感染が拡大した3月から先月までの3か月間に起きた火災の状況をまとめた結果わかったものです。

それによりますと、名古屋市ではごみ収集車から出火した火災が6件起き、過去5年間の同時期の平均より1.5倍増えました。

また、車両火災全体に占める割合もごみ収集車が4割近くに上りました。

原因は、いずれも誤って「不燃ごみ」に分別して出された「スプレー缶」や「リチウムイオン電池」などが発火したためで、6件の火災すべてが不燃ごみの主な回収日の水曜日に起きていました。

この期間に出された不燃ごみの量は去年の同じ時期より1000トン以上も増加していて、名古屋市では外出の自粛に伴って片づけなどをする人が増える中、本来は「発火性危険物」に分類され、荷台や助手席の専用のかごに入れて回収するスプレー缶やリチウムイオン電池が、相次いで不燃ごみとして出され火災の原因になったとして注意を呼びかけています。

スプレー缶 収集車の中で押しつぶされ発火か

名古屋市天白区ではことし3月、不燃ごみを回収中の収集車から突然、火が出ました。

回収員らが収集したごみをすべて外に出し、火は消防によって1時間半後に消し止められましたが、火災の熱で車両の側面の塗料が直径70センチほど焼け落ち亀裂が入りました。

名古屋市消防局によりますと、ごみの中にスプレー缶が混じっていて、収集車の中で押しつぶされた時に発火したとみられるということです。

名古屋市ではスプレー缶やリチウムイオン電池などは「発火性危険物」に分類され、ほかのごみのように収集車の中で押しつぶさず、荷台に載せたり助手席の専用のかごに入れたりして回収することになっていて、市は、スプレー缶が不燃ごみとして出されたため、火災が起きたとみています。

名古屋市環境局「ごみの分別 正しく」

名古屋市環境局作業課の萩永明登係長は「ごみ収集車の火災で最も多いスプレー缶は、名古屋市では穴を開けなくても出せるので、最後まで使い切って『発火性危険物』に分別してほしい。また、リチウムイオン電池には『スリーアローマーク』という目印が付いているので、環境事業所や電気店などに置いてある専用のリサイクルボックスに入れてほしい」と話しています。

そのうえで「収集車から火が出ると、収集員をはじめ、近くにいる人もけがをしてしまう危険性がある。ごみは正しく捨てるよう協力をお願いしたい」と呼びかけています。