都道府県またぐ移動の自粛 あす緩和 観光地は期待と不安 熱海

都道府県またぐ移動の自粛 あす緩和 観光地は期待と不安 熱海
都道府県をまたぐ移動の自粛が19日から全国で緩和される方針が示されていることを受け、神奈川県と隣接する静岡県熱海市の観光関係者からは、観光客の増加への期待とともに感染を懸念する声も聞かれました。
熱海市は、観光客のおよそ8割を首都圏から訪れる人たちが占めていて、移動の自粛が緩和されれば観光客の増加が見込まれています。

市内にある「ホテル・サンミ倶楽部」では、来月の予約状況は去年よりも9割ほど少ない状況だということですが、今後、予約が増えることを期待しています。

客にはマスクの着用などを呼びかける一方、ホテル側も換気や消毒などを徹底し、宿泊客を迎えたいとしています。

ホテルの岡本隆弘支配人は「やっと、という思いです。お客様に安心・安全に宿泊を楽しんでもらうために、感染予防の対策を徹底します」と話していました。

また、JR熱海駅近くの商店街にある魚料理店「海蔵」では、消毒を徹底するとともに入店する客の数を調整し、離れて座ってもらうようにして営業しています。

ただ、観光客が増えることで感染が広がるのではないかという不安もあり、経営する山田明美さんは「感染への対策は取っていても、不安はあります。今までみたいに客を入れられないので売り上げが落ちますが、頑張ります」と話していました。

松山 道後温泉本館 予防策とって再開へ

新型コロナウイルスの影響で臨時休館していた松山市の観光名所、道後温泉本館では、19日の再開を前に、感染への対策の様子が公開されました。

道後温泉本館は、明治時代に建てられた公衆浴場で国の重要文化財に指定されている松山市の観光名所ですが、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を受けて、ことし4月18日から臨時休館を続けていました。

しかし、全国的な移動の自粛が19日解除されれば、愛媛県が設けている警戒レベルが引き下げられることを受けて、施設を管理する松山市は19日から、およそ2か月ぶりに営業を再開することにしています。

これを前に、18日、施設が報道陣に公開され、感染への対策として、入り口では検温のほか、感染者が出た場合に感染経路の調査ができるよう氏名や連絡先の記入を求めるとしています。

また、館内では入浴時以外はマスクを着用し、脱衣所ではロッカーに直接衣服を入れないよう、あらかじめ渡された袋に入れてから収納するよう求めています。

さらに、一度に入場できる人数を定員の半分の男女20人ずつに制限するほか、換気や消毒を徹底するとしています。

道後温泉事務所の山内充所長は「予防策を徹底して行い、徐々に全国の方にも来ていただけるようにしたい」と話していました。