米 5月の小売り業売上高 コロナ直撃の前月から反転 最大の伸び

米 5月の小売り業売上高 コロナ直撃の前月から反転 最大の伸び
経済活動が再開し始めたアメリカの先月の小売り業の売上高は、前の月と比べて17.7%増え、新型コロナウイルスの影響が直撃した前の月から反転し、統計開始以来、最大の伸びを記録しました。
アメリカ商務省が16日発表した先月の小売り業の売上高は4855億ドルと、前の月と比べて17.7%増加しました。

これは新型コロナウイルスの影響が直撃し、統計開始の1992年以降で最悪の落ち込みとなった前の月から反転し、今度は最大の伸びを記録した形です。

このうち、自動車と関連部品が44%増えたほか、衣料品は3倍近くに増えていて、各州で外出制限が段階的に緩和されて営業を再開する店舗などが出てきたことが要因です。

この結果について、トランプ大統領はツイッターで「予想よりはるかに大きな数字だ。株式市場にも雇用にも、すばらしい日だ」と述べ、経済活動の再開の成果をアピールしました。

一方、同じ日に発表された企業の生産活動を示す鉱工業生産指数は、前の月と比べて1.4%の上昇で、プラスに転じたものの、市場の予想を下回りました。

アメリカでは経済活動が再開する一方でこのところ感染の第2波が懸念されていて、経済指標にはばらつきもみられています。

FRB議長「回復の時期や強さ かなりの不確実性残る」

アメリカの景気を示す経済指標が発表されたあと、FRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は議会上院の公聴会の中で「最近の経済指標をみると、一部の地域で緩やかな回復傾向が示されているが、生産や雇用はパンデミック前の水準を大きく下回っていて、回復の時期や強さにはかなりの不確実性が残っている。多くの人がウイルスが封じ込められていると信じられるときまで完全な景気回復はない」と述べ、改めて景気の先行きに慎重な姿勢を示しました。