無観客の試合 名称を「リモートマッチ」に 国内12球技のリーグ

無観客の試合 名称を「リモートマッチ」に 国内12球技のリーグ
国内の球技のリーグでつくる「日本トップリーグ連携機構」は、新型コロナウイルスの影響で無観客で行う試合を「リモートマッチ」と名付けることを決めました。
サッカーJリーグやバスケットボールのBリーグなど、国内にある12の球技のリーグが参加する「日本トップリーグ連携機構」では、無観客試合が本来、制裁として行われることから、ネガティブな印象が強いとして今月、新しい名称をSNSで募集しました。

その結果、1週間でおよそ9200件の応募があり、各リーグと検討した結果、「リモートマッチ」と名付けることを決めました。

「リモート」ということばが、離れていても選手とファンがつながっていることを示す点や社会に浸透してきたことを評価したということです。

また、サポーターやファンを「リモーター」と呼ぶことも提案しました。

川淵三郎会長は「よりポジティブな、ウイルスに打ち勝つような名称を求めた。今、スポーツの存在価値が問われている。多くの人に生活の中でスポーツの価値を認めてもらえるきっかけになると確信している」と話しました。

「リモートマッチ」無観客試合 盛り上げへ準備進む

Jリーグの各クラブでは「リモートマッチ」と名付けた無観客で始まる試合を盛り上げようとさまざまな準備を進めています。

J2のジュビロ磐田は、地元の大手楽器メーカーが開発した専用のシステムを使って、テレビなどで観戦するサポーターの声援をスタジアムに届けようとしています。

このシステムでは、選手たちのプレーを見たファンがインターネットのサイトで「歓声」「拍手」「激励」のボタンを押すと、それに合わせてスタジアムのスピーカーからも「歓声」などが流れるようになっています。

13日、静岡県磐田市のホームスタジアムで行われた練習試合での実証実験では合わせて190万回、ボタンが押されたということで、今後、課題などを検証し、調整を進めていくということです。

また、J1のサガン鳥栖やJ2のアルビレックス新潟など複数のクラブは、スタジアムの客席にファンの写真などを印刷した人型の特製ボードを並べる取り組みを行います。

このうちサガンのボードは縦70センチ、横40センチの大きさで、写真のデータをインターネットサイトに送ると上半身の写真が貼られるということです。

このほかJ1のセレッソ大阪は「スタジアムをチームカラーのピンク色にしよう」と座席に設置するTシャツなどを販売したり、同じJ1のベガルタ仙台がチームのマスコット人形とメッセージボードを座席に置いたりすることにしています。

各クラブの取り組みの多くは有料で、無観客試合を盛り上げるとともに入場料収入を補填(ほてん)するねらいもあるということです。

一方、Jリーグが先週公表した感染防止対策のガイドラインではクラブが管理する横断幕などをスタジアムに張り出すことは認める一方、ファンによる持ち込みは受け渡しなどで感染の危険があるとして禁止しました。