EU域内での入国制限15日から緩和本格化 観光立て直しなるか

EU域内での入国制限15日から緩和本格化 観光立て直しなるか
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EU=ヨーロッパ連合の加盟各国は、夏のバカンスシーズンを前に新型コロナウイルスの対策として続けている域内の国どうしの入国制限を15日以降、緩和する動きを本格化させます。深刻な打撃を受けている観光業の立て直しにつなげられるかが大きな課題となっています。
EUの加盟各国は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてことし3月以降、域内で国境をまたぐ移動を制限する措置を導入してきました。

しかし、主要産業の1つである観光業が大きな打撃を受けていることなどから、EUは夏のバカンスシーズンを前に制限を緩和するよう加盟各国に提案し、感染拡大がおさえられていると判断した国は15日以降、制限の緩和を本格化させます。

このうちフランスは15日から、原則としてEU域内のほぼすべての加盟国からの入国を認めるほか、ドイツも16日からこれまで制限していた隣接する国からの入国を認めることにしています。

ただ、ギリシャは、感染が深刻だったイタリアやスペインなどからの旅行客にはPCR検査を義務づけるなど、国によって制限を緩和する対象国や時期が異なり、足並みはそろっていません。また、イタリアは今月3日から域内の旅行客の受け入れを再開させましたが、航空便がまだ少ないこともあり、客足は戻っていません。

EUは来月1日からは域外からの渡航も段階的に緩和するよう提案していますが、感染が再び拡大するのをおさえながら観光業の立て直しにつなげられるか大きな課題となっています。

域外からの渡航についても来月から段階的解除

一方EU加盟国は、域外からの渡航についてことし3月から原則禁止する措置を取ってきましたが、EUは来月1日から段階的に解除することを各国に提案しています。

解除の基準としてEUは、受け入れを認める相手国で新型コロナウイルスの感染状況が改善しているほか、相手国も同様に解除を行うことなどを挙げています。

具体的にどの国からの渡航を認めるかについては各加盟国と協議したうえで、今後リストを作成するとしています。

EU域内では観光業はGDP=域内総生産の1割を占める主要な産業の1つで、EUと各国は、かき入れ時となる夏の観光シーズンを前に観光業の立て直しを図りたい考えです。