社会

人種差別の撲滅を! 東京 渋谷でも抗議デモ

アメリカで黒人の男性が警察官に首を押さえつけられて死亡した事件を受けて、東京 渋谷で人種差別の撲滅を訴える抗議デモが行われました。
先月、アメリカ中西部ミネソタ州のミネアポリスで、黒人のジョージ・フロイドさんが白人の警察官にひざで首を押さえつけられて死亡した事件をきっかけに、各国で抗議デモが広がっています。

14日は東京 渋谷区で事件に抗議するデモが行われ、時折、雨が降る中、日本に住む留学生や日本人の大学生らが、SNSでの呼びかけを中心に集まりました。

そして、「黒人の命も大切だ」という意味の「BLACK LIVES MATTER」や「人権を守ろう」と書かれたプラカードを掲げ、渋谷駅前のスクランブル交差点や、買い物客でにぎわう原宿駅前などを3キロにわたって歩きました。

関係者によりますと、参加者は数千人に上ったとみられるということです。

参加した人たちは「差別をやめよう」などと声を上げ、人種差別の撲滅を訴えていました。

抗議デモに参加 偏見や差別に悩まされてきた女性の願い

東京での抗議デモに参加した23歳のあやかブランディーさんは、アフリカのコンゴ民主共和国出身の父親と、日本人の母親の間に生まれました。生後2か月から日本に住み、日本国籍を持っていますが、黒人に対する偏見や差別に悩まされてきました。

小学校の授業で、「肌色」というクレヨンを使って自分の似顔絵を描いていたとき、同級生に「それはあなたの肌の色じゃない」と言われ、自分が周りと違うことを強く意識するようになったと言います。

中学校に入ってからは、「黒人だからバスケットボールが得意なんだろう」とか、「黒人なのにどうして視力が悪いの」といったことばをかけられ、次第に自信をなくし、同級生と距離を置くようになりました。そして、みずからのアフリカのルーツに引け目を感じ、大好きだった父親のこともいつしか憎く思い、冷たく接するようになってしまったということです。

当時について、あやかさんは「勝手な固定観念に基づいていろいろと要求され、つらかった。人と仲よくするため無理に笑うようになり、自分らしさを見失った」と振り返ります。

あやかさんは高校を卒業後、デザインの専門学校で勉強し、現在はイラストの制作やファッションブランドのデザインなどを手がけています。

そうした中、自分を変えようと挑戦したのが、ミスコンテストです。「美しく社会貢献する女性」がテーマで、先月開かれた神奈川県大会では、みずからの経験をもとに「どんな背景を持っている人でも輝ける社会を作りたい」と訴えて準優勝し、夏に開かれる全国大会に出場することになりました。

あやかさんは、ことしに入ってからも道ですれ違った人から「なんで黒人がいるんだ」という心ないことばを浴びせられるなど、日本国内での偏見や差別をなくすのは簡単ではないと感じています。

それでも、今回の抗議デモを通じて、1人でも多くの日本の人にアメリカでの事件は決して「対岸の火事」ではないと気付いてもらうとともに、自分と同じような境遇の人に希望を与えたいと考えています。

時折雨が降る中、友人とともに渋谷の街を歩いたあやかさんは「同じような考え方を持っている人がこんなにいることに励まされたし、これからの勇気につながる。差別は日本にもあるということを一人一人に理解してもらい、私のように傷つく人が減ってほしい」と話していました。

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