重い心臓病の中国人女性 帰国へ コロナで渡航制限も日中が協力

重い心臓病の中国人女性 帰国へ コロナで渡航制限も日中が協力
重い心臓病のため愛知県の藤田医科大学病院で1年余り治療を受けていた中国人の女性が、中国の病院で心臓の移植手術を受けるため、12日、帰国の途につきました。
新型コロナウイルスの影響で渡航制限が続く中、女性の命を救おうと、日中の関係者が国境を越えて協力しました。
24歳の中国人の女性は、技能実習生として愛知県内で働いていた去年5月、腎臓などの機能が低下し、藤田医科大学病院に入院しました。

その3か月後、心臓の筋肉の細胞が炎症を起こす「心筋炎」を発症し、心臓の機能を補助する「体外式補助人工心臓」を装着する手術を受け、治療を続けてきました。

しかし、器械なしで過ごすには心臓移植しか方法がなく、日本での移植はドナーが少ないことなどから、女性は中国で移植を目指すことになりました。

当初、ことし2月に帰国する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期となり、その後、日本と中国双方の関係者が調整を続けた結果、女性は12日退院し、中部空港からチャーター機で出国しました。

退院にあたって、湯澤由紀夫病院長から帰国後にかかる治療費のために病院のスタッフが集めた募金が手渡されると、女性は「中国に帰ったあとも頑張って体を治します。ありがとうございます」と感謝のことばを述べていました。