IOC会長 東京五輪 大会簡素化に向けた新基本原則を高く評価

IOC会長 東京五輪 大会簡素化に向けた新基本原則を高く評価
新型コロナウイルスの影響で1年延期となった東京オリンピックについてIOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長は、組織委員会が発表した大会の簡素化に向けた新たな基本原則を高く評価し、引き続き大会成功に向け準備を進めていく考えを強調しました。
IOCは10日、オンラインで理事会を開き、東京大会の組織委員会から選手や観客などに安全・安心な環境を提供することを最優先課題にしながら簡素な大会にする新たな基本原則などについて報告を受けました。

理事会のあとIOCのバッハ会長は電話で会見を行い「経費削減に向けた大会の簡素化で大きな進展があった。来年7月にオリンピックを成功させるための日本の決意と能力が示された」と述べ、組織委員会の新たな基本原則を高く評価しました。

そのうえで「組織委員会とIOCは完全に一致している」と、来年の大会に向け着実に準備を進めていく考えを強調しました。

また、会見ではアメリカで黒人男性が白人の警察官に押さえつけられて死亡した事件をきっかけに抗議活動がスポーツ選手の中にも広がっていることを踏まえ、これまで大会で人種差別に抗議するためひざをつく行為などを認めないとしてきたIOCの認識を問う質問が出されました。

バッハ会長は「IOCは人種差別に対して最も強い表現で非難する」と述べたうえで、オリンピック憲章であらゆる種類の差別を否定するとともに、競技会場などで政治的、宗教的、人種的な宣伝活動を行うことを禁じていることを前提に、今後、アスリート委員会が世界中の選手との間で行う対話と議論の行方を見守るという考えを示しました。