イラン・ベネズエラ関係強化 反米国家が接近

イラン・ベネズエラ関係強化 反米国家が接近
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中東のイランは、南米ベネズエラに対しタンカーでガソリンを供給したのに続いて、新型コロナウイルスの検査キットなどを積んだ航空機を派遣しました。ともにアメリカと対立し、経済制裁で困窮している国どうしが関係を強化する姿勢を鮮明にしています。
イランの国営メディアによりますと、8日、イランから新型コロナウイルスの検査キットなどの支援物資を積んだ航空機が、南米ベネズエラの首都カラカス近郊の空港に到着したということです。

ベネズエラは、アメリカによる制裁で経済的に困窮し、医療態勢も極めてぜい弱で、感染状況すら把握できていないとされています。

イランはベネズエラに対し、今月はじめにかけて数週間分の消費量にあたる合わせて150万バレルほどのガソリンを積んだタンカー5隻を派遣したばかりです。

現地に駐在するイランの大使は8日、「敵がわれわれに制裁を科す中、両国の結束が強固になっていることを示している」と強調しました。

一方で、イランも、核合意から一方的に離脱したアメリカによる経済制裁で、国の経済を支える石油の輸出がほとんどできなくなるなど、経済が苦境に立たされています。

トランプ政権は、制裁の抜け穴を警戒し、両国への圧力を強化したい考えですが、イランとしては、ガソリンの供給などを通して、ベネズエラのマドゥーロ政権との関係を一層強化し、アメリカに対抗していく構えです。