新型コロナ イタリアで観光ガイドが支援訴え

新型コロナ イタリアで観光ガイドが支援訴え
ヨーロッパでは新型コロナウイルスの感染拡大が抑えられているとして主要産業の観光業が各地で再開しています。しかし、イタリアでは旅行客が戻らず、観光ガイドが政府に支援の継続を求めて抗議活動を行うなど、先行きへの懸念が強まっています。
ヨーロッパでは、夏のバカンスシーズンを前にホテルや観光施設が相次いで営業を再開し、主要産業である観光業の立て直しを急いでいます。

このうちイタリアは今月3日からEU=ヨーロッパ連合の加盟国からの入国制限の解除などに踏み切りましたが、各国とを結ぶ航空便の多くが再開しておらず、旅行客は戻っていません。

こうした中、首都ローマをはじめベネチアやフィレンツェなどで9日、観光ガイドが集まり、仕事のない窮状を訴えて政府に支援の継続を求める抗議活動を行いました。

イタリアでは観光ガイドなどフリーランスの人たちに対して日本円で月額7万円余りの給付が行われてきましたが、先月いっぱいで打ち切られています。

参加者は「失業のような状態だ」として危機感をあらわにしていました。

また日本語でガイドをしているイタリア人の女性は「ローマはいまは空っぽで日本人も他の観光客もいなくて悲しい。戻ってきてほしい」と話していました。

ヨーロッパでは感染が再び拡大することへの警戒感から人々の往来が回復するまでには時間がかかるという見方も出ていて先行きへの懸念が強まっています。

現地の日本人のガイドも苦境に

イタリアでは、新型コロナウイルスの影響で、日本からの観光客が途絶えたことで、現地の日本人のガイドも苦境に立たされています。

イタリア北部のミラノに住む新津里枝さんは、20年ほど日本からの観光客や企業からの出張者に対して通訳や案内を行ってきました。

忙しい時は月に数日しか休みがありませんでしたが、新型コロナウイルスの影響で、ことし3月以降は日本からの客が途絶え、収入が全くなくなりました。

イタリア政府がフリーランスの人に給付する日本円で7万円ほどを受け取ってきましたが、それだけでは生活費をまかなえないといいます。

さらに、日本から観光客が再び訪れるようになるのはまだ先とみられ、それまで政府が支援を続けることは期待できないとして、不安をかかえています。

新津さんは、「お客さんが長期間戻ってこなかったらどうしようとか、政府からの補助がなくなったらどうなるだろうとか、たまに不安になりますが、前向きに考えるようにしています。ガイドの仕事は大好きですが、ほかに収入を得る手段も考えていきたい」と話していました。