withコロナ 学校でエアコン禁止?大切なのは「換気」です

withコロナ 学校でエアコン禁止?大切なのは「換気」です
「コロナ感染予防のため、学校はエアコンは当分禁止のようです」
暑さが厳しくなる中、こんなツイートが出てきています。
そんなことあるの?取材し確かめてみました。
そしてエアコンを使ううえで大切で、新型コロナ対策ともなる効果的な換気方法も調べてみました。
(ネットワーク報道部 記者 有吉桃子/鮎合真介/田隈佑紀)

“当分禁止のようです”

連日の暑さが続く中、ツイッター上では各地で再開している学校でのエアコンの使い方が話題となっています。
ことしは新型コロナウイルスの感染対策のため、エアコンをつけられないという声があがっているのです。
「コロナ感染予防のため、学校はエアコンは当分禁止のようです」
「今年は換気のためにエアコンつけれませんって、学校から宣言されてるから今年の夏が怖い…」
感染対策とはいえ、厳しい暑さの中で、エアコンを使用しないのは本当なのか。このようなツイートをした人が住んでいると思われる自治体の教育委員会に聞いてみました。

“使わないで”とお願いしていない

まず熊本市教育委員会。
「感染対策のためにエアコンは使わないでと、各学校にお願いはしていません」との答え。そして「エアコンを操作するときも、可能なかぎり換気をするよう通知しています」とのことでした。
このほか、愛知県教育委員会にも聞きましたが、同じように「エアコンを使うときは換気してくださいとお願いしています」と話していました。
2つの教育委員会に聞いたかぎりでは、エアコンの使用禁止はないようです。

文部科学省“換気は必要”

そこで文部科学省にも確認しました。
すると、“換気を適切に行うこと”を前提に学校の教室内でのエアコンの使用は制限していないという答えでした。
文部科学省が5月22日に示した「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~」でも、「エアコン使用時においても換気は必要です」としていて、「換気は、気候上可能な限り常時、困難な場合はこまめに(30分に1回以上、数分間程度、窓を全開する)、2方向の窓を同時に開けて行うようにします」などと、エアコンを使う際の具体的な換気方法まで示していました。
熱中症を防ぐ意味でもエアコンをきちんと使うことはやはり大切です。

換気の大切さ示す研究結果

一方、新型コロナウイルスとの闘いが続くいま、エアコンを使う際の換気の大切さを示す研究も発表されています。
公表したのはアメリカCDC=疾病対策センター。その報告書は中国 広州市の保健当局が、ことし1月から2月にかけて感染が確認された3つの家族、合わせて10人の感染経路を調べたものでした。
10人は全員が1月24日に同じレストランで食事をとっていて、3つの家族はそれぞれ別のテーブルを囲んで食事をしていました。その場所に窓がありません。3組のテーブルは、エアコンの吹き出し口から見て1列に並んでいます。
中央に座っていたのは当時は症状はなく、その後に発症した5人。
報告書では中央のテーブルにいた人の飛まつがエアコンの風に乗って風下に流れて、隣のテーブルの家族が感染したとしています。
さらに空気の流れは壁で跳ね返ります。
そのため今度は風上のテーブルの家族にも感染が広がったとみられると結論づけていました。
窓は無い場所でテーブルの間隔は1メートルずつ。
研究結果からはエアコンからの風に乗った飛まつが感染を広げていったことになります。
報告書では、ウイルスの拡散を防ぐためには、テーブルの間隔もあけたうえで、「換気」を十分に行うよう呼びかけています。

“効果的な換気”

換気はウイルスなど汚染物質を外に出したり、薄めたりすることが期待できます。
効率的な方法について空調機器大手の「ダイキン工業」に聞いてみました。
その前にまず知ってほしいことは“ほとんどのエアコンは室内の空気を循環させるだけで換気はできない”こと。外の空気を取り込んでいるという誤解もあるそうですが、実際は室内の空気を循環させながら冷気を作っているのです。
ダイキン工業でもエアコンを使う時にも適切に換気を行うよう呼びかけていて、効果的な方法をホームページで紹介しています。
まず換気口や24時間換気システムなど換気設備を正しく使うこと。そして大切なのが換気を行う頻度です。

まとめてより小分け

窓を開けて行う換気は1時間に10分程度が目安で、1回で10分換気するよりも2回に分けて5分ずつのほうが効果的だそうです。

対角線で開ける

窓は開ける時は、対角線上にある2か所を開けると空気の通り道ができて効率的です。

風は小さく入れて大きく出す

また風が入りにくい場合は風の入り口を小さくすると勢いよく入ります。入り口は小さく、出口は大きくが基本です。
では窓が1か所しかない場合や窓がない部屋の場合はどうするのか。
扉を開けたり扇風機や換気扇を活用したりすると換気ができるということです。
また窓がない場合は、扇風機などを使うとよいようです。
学校についても、住宅などと同様にこまめに換気するよう呼びかけています。

電気代抑えるコツも

また「ダイキン工業」の担当者は、エアコンの消費電力をおさえながら換気するコツを2つ教えてくれました。
(1)エアコンは電源を入れた時にもっとも消費電力が多くなるため、運転させたまま窓を開けること。その際、エアコンの設定温度を少し高くしておくとよい。
(2)家に帰ってきた時やオフィスに出勤した時など、エアコンをつける際は締め切っていた窓を開けて換気してからつけるのも消費電力を節約できる。
暑さが厳しくなる中、熱中症をふせぐためにもエアコンは効果的。
熱中症防止と感染防止を両立させるためにもいま、換気が大切になっています。