病院の新型コロナ集団感染 看護師に労災認定 都内

病院の新型コロナ集団感染 看護師に労災認定 都内
都内の病院で起きた新型コロナウイルスの集団感染で、看護師の1人が労災に認定されました。看護師は「身体を張って現場にたっている医療従事者が1人でも多く正当な補償を受けられるよう望みます」とコメントしています。
労災認定されたのは、入院患者や医師、看護師100人以上が新型コロナウイルスに感染した、都内の病院に勤める看護師の女性です。

代理人弁護士によりますと、女性は院内で感染が確認されたことし4月上旬にはPCR検査で陰性でしたが、その後勤務できる看護師が減る中で、最も多忙な時期は感染した入院患者らを1人で10人以上担当し、1日16時間勤務を週に4回、睡眠時間は2時間半で働き続けたところ、発熱し、4月末に検査で陽性が確認されたということです。

この間、病院からは不足していたマスクなどの防護具を使い回すよう指示されていたうえ、感染が分かってからも労災の手続きについて説明は無かったということです。

女性は「感染を防ぐための対策やその後の補償の手続きなど今振り返ればさまざまな面で対応が不十分だったと思います。身体を張って現場にたっている医療従事者が1人でも多く正当な補償を受けられるよう望みます」とコメントしています。

厚生労働省によりますとこれまでに新型コロナウイルスに感染し労災を申請した人は今月4日の時点で全国で94人で、認定されたのは8人となっています。
代理人の1人、川人博弁護士は「患者の命を守るために働く中で感染し療養を余儀なくされている人を補償するのは当然のことで発症してから相当の期間が経過しても手続きが行われなかったのは病院の怠慢と言わざるを得ない。業務によって感染した人は相当数に上るはずで、事業者はもとより政府関係機関がこの問題について早急に取り組みを強化しなければならない」としています。