「活弁士」話芸の魅力を動画で配信 新型コロナ影響で活動激減

「活弁士」話芸の魅力を動画で配信 新型コロナ影響で活動激減
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新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、映画上映の機会が減っていますが、無声映画にせりふなどをつける「活弁士」の活動の場も激減しています。こうした中、動画を配信して活弁士の話芸の魅力を伝える取り組みが始まっています。
音声のない無声映画に合わせて、せりふやあらすじを語る「活動写真弁士」、いわゆる活弁士は日本独特のもので、無声映画が主流だった明治から昭和の初めにかけて最盛期には8000人もの活弁士が活躍していたとされています。

今でも全国で10人ほどが活動を続けていますが、新型コロナウイルスの影響で映画の上映機会が減る中、活弁士の活動の場も激減しています。

こうした中、活弁士の麻生八咫(やた)さんと、同じく活弁士の娘の子八咫(こやた)さんは、話芸を紹介する動画を配信する取り組みを始めています。

内容は、善光寺の由来をつづる「善光寺縁起」や中島敦の小説「名人伝」を絵に合わせて語るもの、また、1922年の吸血鬼をテーマにした無声映画の内容を、映像を使わずに話芸だけで伝える動画などを配信しています。

麻生八咫さんは「活弁の魅力である会場全体で笑ったり泣いたりというライブ感を出せないのは残念だが、この機会に芸を見つめ直し、日本の話芸の深さを再確認できるようなものを提示していきたい」と話しています。

娘の子八咫さんは「上映機会が激減し、日本で生まれ育った独自の話芸がこのままでは失われてしまうかもしれない。動画配信で若い世代の人にも関心をもってもらい、後世に伝えていきたい」と取り組みのねらいを話しています。