自宅にいながら参加 オンライン防災訓練 新型コロナウイルス

自宅にいながら参加 オンライン防災訓練 新型コロナウイルス
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新型コロナウイルスの影響で、大雨の時期に合わせた住民参加型の防災訓練が各地で中止や延期となっています。こうした中、自宅にいながら参加できる新たな形の防災訓練が6日、オンライン上で開かれました。
大雨の時期となり、自治体の一部では防災訓練が行われていますが、新型コロナウイルスへの感染の懸念から、住民参加型の訓練は中止や延期となるケースが相次いでいます。

今回の防災訓練は福岡県の災害支援団体などが企画し、自宅や職場でもできるようにオンライン形式で行われ、九州や関東に住む30人ほどが参加しました。

はじめに参加者たちは、大雨による水害の危険が予測されている場合を想定し、国土交通省のホームページ「重ねるハザードマップ」を使ってハザードマップの見方を学びました。

そのうえで、自分の住む地域に土砂災害や浸水など、どのようなリスクがあるか調べ、参加者どうしで議論しました。

参加者からは「自宅は浸水が想定されていないが、通勤経路に浸水リスクがあることが分かり、通勤中のことも考えないといけない」といった意見が出ていました。

続いて避難を想定し、主催者が作ったチェックリストを基に備蓄ができているかの確認も行われました。

参加者からは「新型コロナウイルスを考えると衛生面が大きな課題で、マスクやアルコール関連、簡易トイレなども必要ではないか」などといった意見が出ていました。

福岡県から参加した30代の男性は「みんなで話しながら、パソコンでハザードマップを見るのがゲーム感覚で楽しかった。訓練で学んだことを、これから家族と共有したい」と話していました。

訓練を主催した実行委員会の江崎太郎さんは「今後は新しい形の訓練としてオンラインの活用が増えていくのではないか。新型コロナウイルスへの感染が懸念される今だからこそ、自分の住む場所の災害リスクを見極める訓練が必要で、危険な場合は必ず避難してほしいと思う」と話していました。

気象庁 避難のポイントなど動画公開

地域の防災訓練に参加できなくても自宅で防災について学べるように、気象庁は大雨による災害のリスクや避難のポイントなどについて説明した動画を、先月末から、動画投稿サイトの「YouTube」で公開し活用を呼びかけています。

気象庁が公開を始めたのは、大雨による災害のリスクや、避難のタイミング、避難の方法などについて解説している、合わせて5本の動画です。

動画では、中小河川の近くや堤防よりも低い場所などでは、川の氾濫で浸水被害が発生するおそれがあることを地形が分かる図を使って説明しているほか、避難する場合は、友人や親戚の家か避難所に移動するほか、浸水リスクが低く十分な備えがある場合は、自宅にとどまって安全を確保することも可能だとしています。

気象庁は「新型コロナウイルスの影響で訓練ができなくても、こうした動画を見るなどして、災害リスクが身近にあるのか考えておいてほしい」と話しています。