“予備費10兆円は尋常でない” 専門家が指摘 新型コロナ対策

“予備費10兆円は尋常でない” 専門家が指摘 新型コロナ対策
新型コロナウイルス対策の第2次補正予算案をめぐって国会で論戦が続いています。財政に詳しい一橋大学の佐藤主光教授に、観光や飲食などを対象にした消費喚起策「Go Toキャンペーン」、中小企業などに対する「持続化給付金」、使いみちを決めていない「10兆円の予備費」について聞きました。

委託費3000億円余 “詳細な点を明らかに”

佐藤教授は「Go Toキャンペーン」で3000億円余りの委託費が計上されていることについて、「そもそも、どういうことをお願いするのか、委託として何をお願いしているのか、もう少し詳細な点を明らかにする必要がある。委託料がなぜその金額になるのか、積み上げた形での詳細な情報がいるのではないか」と指摘しています。

持続化給付金事業の再委託 “使途について明細書を”

「持続化給付金」の事業を国から委託された社団法人が、ほとんどの業務を大手広告代理店に再委託したことについて佐藤教授は、「再委託した先についてモニタリングが効かないという問題があるが、今回はかなり大きな金額なので、再委託先にも協力してもらい、使途について、明細書を出してもらうことは国民に対する説明責任を尽くすという観点から見ても重要だ」と話しています。

予備費10兆円 “尋常でない”

一方、10兆円の予備費が計上されていることについては、「予備費というのは、まさに名前のとおり、万が一に備えての経費になる。確かに5000億円とか、場合によっては1兆円組むことはあるかもしれないが、30兆の補正予算のうち10兆円というのは尋常ではないと思う。いったん、積まれてしまうと使ってしまおうというインセンティブも働きやすいので、むだの温床にもなりかねない」と指摘しています。

そのうえで、佐藤教授は「求められるのは国民の安心と信頼だ。どんなに迅速に措置を講じるといっても、むだづかいしてもいいということにはならず、委託料含めて実際の経費の使われ方についてきちんと精査、検証する姿勢が求められる。そのうえで、国民に対して広く情報を提供、開示していくということが必要だ」と話しています。