withコロナ 学校生活どうなった

withコロナ 学校生活どうなった
6月から多くの学校で授業が再開されました。でも、その光景は私たちが知っているものとは大きく違うようです。「友達と話せない」「隣の席に友達がいない」「学校に行くのがこわい」SNSに寄せられた声から、子どもたち、そして親の目に映った学校を探りました。
(ネットワーク報道部 記者 鮎合真介 野田綾 加藤陽平)

誰とも話せない確率95%

「やっと学校に通えるようになったピカピカの一年生に、『お友達できた?』と聞いてみたら、『前後左右の席、いないんだよ?誰とも話せない確率、95%』となかなか切ない返事がかえってきた。たしかに喋らないと、友だちになれない」
こんな投稿をしたのは、東京・狛江市に住む専修大学で教授を務める上平崇仁さんです。この春から小学1年生となった息子がようやく学校に登校できるようになった初日にこうした会話を交わし切なくなったそうです。
息子が通う学校では、新しい生活様式に沿った学校生活のルールが示され、その中では会話を控えたり児童どうしの席を離したりすることが明記されています。ふだんのように子どもたちが休み時間にじゃれ合ったり大声で話したりすることは出来ないのです。

“友達100人できるかな”

実は、上平さんが息子に友達ができたかどうかを聞いたのには、訳がありました。
上平崇仁さん
「ことし3月中旬に息子が通っていた幼稚園で卒園式がありました。そのとき、子どもたちが小学校の入学を前に、元気よく『友達100人できるかな』と歌ったんです。しかし3月は、新型コロナウイルスの感染が拡大していて、今後さらに状況が悪くなると予想されていた時期でした。でも、子どもたちはもちろんそんなことは知らず、一生懸命に『友達100人できるかな』と歌っていました。それを見て、親として泣けました。それもあって、登校初日に息子に『お友だちはできた?』と聞いたのですが、その答えに切なくなりました」
ただ、上平さんは1つだけほっとしていることがあるといいます。
上平崇仁さん
「臨時休校の期間中は、外出自粛で、息子はずっと自宅にいました。それに比べれば、たとえ感染対策でいろいろと制約があるとはいえ、本人としては学校に行けるだけで刺激があるみたいで、うれしそうにしています。学校がないよりはあったほうがいいようで、そこは親として安心しています」

「まだ誰とも話していない」

親たちの衝撃はまだ続きます。都内に住む30代の母親は、小学1年生になったばかりの娘の発言にショックを受け次のようにツイートしました。
「ようやく一年生スタートした娘に『学校どう?』って聞いたら『まだ誰とも話してない。。』って聞いて軽く衝撃受けてる」
母親によると、娘は公園などでも知らない子に話しかけたり、すぐに一緒に遊んだりする性格だということで、それだけに娘の発言に驚いたとのことです。
都内に住む母親
「娘が学校でまだ誰とも会話していないということが異様に感じられて、夫も『学校で誰とも話さないなんてことがありえるのか』って驚いていました。こんな状況で、話を聞いたときは胸が潰れそうで悲しくなりました」

親の心配ほどではない子どもも

でも、よくよく話を聞くと「心配をしているのは親だけ」という声も聞かれました。
「プリント見て悲しくなったよぉ。休み時間友だちと遊ぶの禁止、遊具も禁止、給食も黙って食べる。刑務所、、?」

「休み時間も事細かなルール。読書お絵描き可、鬼ごっこ不可。トイレも決められた時間に順番。こどもの楽しみ奪われてるよね」
子どもの様子を見てこうツイートしたのはこの春1年生になった子どものいる母親です。でも、実際に話を聞いたところ意外な答えが返ってきました。
母親
「小学1年生なので、学校というものがどういうものか分かっていないのかもしれませんが、子どもは本当に楽しく授業して帰ってきました。『学校楽しかった』『先生優しかった』とニコニコでした。親としては不安や不満も勿論あります。しかし、本人は先生が丁寧に対応して下さり楽しかったようです」

“学校がこわい”と感じる子どもも

一方で「学校がこわい」と感じている子どもたちもいるようです。
「今日小2の次女がコロナがこわいから学校行きたくないと号泣して、在宅勤務のお父さんが行かないと仲間に入れなくなっちゃうよと説得なんでパパはコロナで会社いかないのに私は行くの!と一悶着ありパパ説得力なし笑」
投稿した名古屋市の母親に話を聞きました。母親にぜんそくがあることもあり、新型コロナウイルスの感染が拡大した間、娘は外で友だちと遊ぶことを控えていましたが、近所の公園で集まって遊ぶ小中学生の姿を見て、不安感を募らせていたということです。

そして、学校の再開が近づいた先週には、「コロナがこわいから学校に行きたくない」と毎日ぐずっていました。
名古屋市の母親
「学校が再開されても娘は休ませたいと思っていましたが、自分の娘だけが休んだらその間にグループができて、輪に入れなくなるのではと心配になり、登校させることにしました」
そして6月1日、学校が再開される日の朝、起きたそばから泣き出してしまい、ツイートのような出来事が起きたということです。

説得された娘はその後、毎日学校に通っていますが、学校の様子を尋ねると、「先生がいないと給食中もしゃべっているし、こわい」と話し、あまり楽しそうではない様子だということです。

“自主休校”選ぶ家庭も

不安に感じる子どもを自主的に休ませる判断をした家庭もあります。横浜市の母親は小学3年生の娘が通う学校が6月1日から再開しましたが、娘を休ませ、自宅で学校の課題を解かせることにしました。
学校の再開が決まった5月、母親は娘に学校でも新型コロナウイルスに感染する可能性はゼロではないと伝え、気持ちを聞きました。

すると娘は「病気はこわいから今は行かなくていい」と話したということです。

母親は学校と話し合い許可を得て、知り合いの保護者にも休むことを丁寧に説明し理解を得たということで、登校は引き続き控えることにしました。

今、娘は課題を解きながら、楽しそうに過ごしているということですが、「私だけ学校に行ってないの変に思われないかな」と、学校に行かないことを心配する気持ちもあるようです。
横浜市の母親
「感染も心配ですがほかの子どもとの関係も心配でこういった事態に登校しない判断も当たり前の選択肢として認められてほしい」

子どもの気持ち 注意深く読み取って

withコロナの中で子どもたちが通う学校。それは私たちが知る学校とは全く違うようです。

大切なのは、子どもたち一人ひとりが今、何を楽しく感じて何を不安に思っているのかを、学校や保護者が注意深く読み取ることではないでしょうか。