10兆円の予備費 野党側は減額と集中審議要求 自民は検討の考え

10兆円の予備費 野党側は減額と集中審議要求 自民は検討の考え
新型コロナウイルス対策の第2次補正予算案をめぐって自民党の森山国会対策委員長と立憲民主党の安住国会対策委員長が会談し、安住氏が野党側の要求として、10兆円の予備費の減額などを求めたのに対し、森山氏は持ち帰って検討する考えを示しました。
会談に先立って、立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党の国会対策委員長が国会内で会談し、会期末まで2週間を切った終盤国会の対応を協議しました。

そして、新型コロナウイルス対策の今年度の第2次補正予算案について、あらかじめ使いみちを決めていない予備費が10兆円と、歳出全体の3分の1近くを占めるのは容認できないとして、予備費を減額すべきだという認識で一致しました。

そのうえで、「持続化給付金」や感染拡大が収束したあとの観光などの消費喚起策、「GoToキャンペーン」の事務の委託などについて、政府から説明を聴くため、5日予算委員会を開き、集中審議を行うよう求めることを決めました。

このあと、立憲民主党の安住国会対策委員長は、自民党の森山国会対策委員長と会談し、こうした考えを伝えました。これに対し、森山氏は、予備費について持ち帰って検討する考えを示しました。

また、衆議院予算委員会の与野党の筆頭理事が会談し、与党側は、5日の集中審議は時間的に難しいとして応じられないと回答したうえで、来週から第2次補正予算案の審議に入りたいと提案し、引き続き協議することになりました。

自民 森山国対委員長「予備費 国民の安心につながる」

自民党の森山国会対策委員長は記者団に、「ウイルスとの闘いが長引くことや、2次、3次の感染が広がった時の対応を考えると、一定の予備費を計上しておくほうが国民の安心にもつながるのではないか。おおまかに使いみちを事前に説明することは可能かもしれないが、よく分からないので政府とも協議したい」と述べました。

そのうえで、第2次補正予算案について「何としても来週月曜日から審議を始める。それは国民が望んでいることだ」と述べました。

立民 安住国対委員長「10兆円 白紙委任できない」

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に、「10兆を超える予備費を白紙委任にはできない。新型コロナウイルス対策は十分にやらなければならないし、困っている人に支援を届けたいというのは全くそのとおりだが、野党としては疑惑を持たれたものを目をつぶって通すというわけにはいかない」と述べました。

公明 北側副代表「相応の予備費は大事」

公明党の北側副代表は記者会見で「感染拡大による影響はなかなか予測できず、何が起こるか分からない。機動的に対策をとるため、相応の予備費を積んでおくことは大事だ。ただ、国会での論議は担保していく必要があり、政府には、論議を軽視しない姿勢を維持してもらいたい」と述べました。

また、「持続化給付金」などの事務委託について「政府には経緯をしっかり説明してもらいたい。委託費は少ないほうがいいに決まっている。内容を明確にしてもらうことが大事だ」と述べました。

参議院でも 自民 立民の国対委員長が会談

参議院でも、自民党の末松参議院国会対策委員長と、立憲民主党の芝国会対策委員長が会談しました。

この中で、芝氏は、10兆円の予備費や、「持続化給付金」の事務委託などについて、政府から説明を聴くため、予算委員会で十分な審議時間を確保することなどを求めたのに対し、末松氏は持ち帰って検討する考えを示しました。