米 抗議デモ拡大 暴徒化し破壊や略奪も NYは夜間外出禁止延長

米 抗議デモ拡大 暴徒化し破壊や略奪も NYは夜間外出禁止延長
k10012455991_202006030728_202006030807.mp4
アメリカで黒人男性の死亡事件を受けた抗議活動が拡大するなか、平和的なデモの一方で、夜間になると破壊や略奪、そして暴徒化した人たちが警官隊と衝突する事態も相次いでいて、社会不安が広がっています。
アメリカでは中西部ミネソタ州で白人の警察官に押さえつけられた黒人男性が死亡した事件から8日目となった2日も各地で抗議活動が続いています。

ニューヨーク市では中心部のマンハッタンに大勢の人が集まって亡くなった男性の死を悼むメッセージを掲げたり、「黒人の命を守れ」などと訴えて行進しました。しかし平和的なデモの一方で、ニューヨークでは1日夜から2日未明にかけても商店が破壊されたり商品が略奪されたりし、老舗の百貨店などでも被害が確認されました。

さらに暴徒化した人たちが警官隊と衝突する事態も各地で相次いでいて、AP通信はこれまでに9人が死亡し、5600人が逮捕されたと伝え、社会不安が広がっています。

これを受けて当局が取締りを強化していて、ニューヨーク市のデブラシオ市長は2日、夜間外出禁止令の延長を発表し、首都ワシントンでは警戒にあたる州兵を1300人から2800人に増強する方針が示されました。

こうした中、トランプ大統領は2日、ツイッターに「昨夜のワシントンは問題なかった。大勢を拘束して見事だ。圧倒的な力で制圧した」と投稿し、混乱の制圧と治安の維持を強調しました。これに対しニューヨーク州のクオモ知事は2日、「大統領は略奪の話ばかりして、亡くなった黒人男性について語らない。政治的な情報操作だ」と述べて人種差別から治安の問題に焦点をずらそうとしていると指摘し、トランプ大統領の言動への批判も強まっています。

ニューヨーク市 外出禁止令を延長

ニューヨーク市では1日夜から2日未明にかけても一部の参加者が警官隊と衝突したほか、建物の破壊、店舗での略奪も相次ぎました。

マンハッタン中心部にある老舗デパートでは2日、防犯対策のためショーウインドーを覆っていた木の板が壊され、大通りの広い範囲にわたってガラスが割られていて、店の関係者はガラスを片づけたり、新たに木の板でふさいだりしていました。

デブラシオ市長は2日の記者会見で、ほとんどは平和的な抗議活動だったとしながらも「警察官への暴力はわれわれ市民への暴力だ。こうした行為をする者は抗議者ではなく犯罪者だ。決して許容できない」と厳しく批判しました。そして「このつらい時期は数日続くだろう」として、1日に出した夜間の外出禁止令を7日まで延長すると発表しました。

ニューヨーク市は今月8日に一部の経済活動を再開する見通しで、デブラシオ市長は「人種差別をめぐる困難な状況を克服し、8日に経済活動を再開できるよう引き続く努力していく」と述べました。

ワシントンは州兵増強し警戒強化

国防総省で州兵を統括するレンゲル州兵総局長は2日の電話会見で、現在、全米の29の州と首都ワシントンで合わせて1万8000人の州兵が警備などにあたっていると明らかにしました。

レンゲル総局長によりますと、1日のデモではこれまでの抗議デモに比べて暴力的な活動は減った一方で、デモの規模はさらに大きくなる兆候があるということです。このため現在、1300人の州兵を配備している首都ワシントンについて、周辺の州から応援をもらい、2800人に増強するなど警戒を強化する方針だということです。

一方、国防総省の高官によりますと、連邦政府の指揮下にある憲兵隊などの部隊はワシントン近郊の基地で待機を続けているということです。ただアメリカ国内に連邦軍の部隊を派遣することには野党・民主党の州知事の間などから反対の声があがっており、別の国防総省高官は2日、記者団に対し「今回の任務を遂行するには州兵が好ましい」と述べて、連邦軍の派遣は避けたいという考えを示しました。