「9月入学」導入見送り 長期的課題として検討継続方針

「9月入学」導入見送り 長期的課題として検討継続方針
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「9月入学」について政府は、今年度や来年度からの制度の導入を見送ることになりました。ただ、海外への留学の増加による国際競争力の向上など利点も指摘されていることから、長期的な課題として検討を続ける方針です。
「9月入学」をめぐり安倍総理大臣は、1日と2日、自民党や公明党の議員と相次いで会談し、自民党からは制度の導入には国民的な合意や実施に一定の期間を要するとして直近の導入は困難だとする提言書を受け取りました。

これに対し安倍総理大臣は「緊急事態宣言が解除され、学びの保障を自治体などと取り組んでいるときに、今年度あるいは来年度の法改正を伴う形での制度の導入は難しい」と述べ、今年度や来年度からの制度の導入を見送る意向を伝えました。

文部科学省は安倍総理大臣の意向も踏まえ、まずは臨時休校中の学習の遅れを取り戻すことを優先する考えで、教育内容で優先すべき項目の例示や、夏休みや土曜日の活用、それに年度内に終えられなかった学習内容の次年度への繰り越しなどを盛り込んだ対応策を、早ければ今週中にも公表する方針です。

ただ国際標準の「9月入学」を導入することで、海外の大学への留学の増加や帰国子女の就職促進など国際競争力の向上につながるという利点も指摘されていることから、政府は与党とも連携し、長期的な課題として検討を続ける方針です。