中国 武漢で新型コロナウイルス約1000万人検査 結果は…

中国で新型コロナウイルスの感染状況が最も深刻だった、湖北省武漢の地元当局は、1000万人近い市民を対象に行ったとする、大規模なウイルス検査の結果を発表し、無症状の感染者が300人いたものの、症状のある感染者は1人も確認されなかったとしています。
湖北省武漢では先月、同じ団地内で新型コロナウイルスの感染者が6人確認されたため、地元当局は、市内のほぼ全員を対象に大規模なウイルス検査を行うと発表していました。

地元当局が2日、開いた記者会見で担当者は、「先月14日から1日までに、およそ990万人の市民にウイルス検査を実施した」と述べました。

検査した人の数を検査にかかった日数で割ると、1日当たりの検査人数は、平均で50万人以上に上ります。

検査にあたっては、複数の人の検体をまとめて検査する手法も使って効率化をはかったとしており、かかった費用は、およそ9億人民元、日本円で130億円余りだったとしています。

検査の結果、無症状の感染者が300人いたものの、発熱などの症状のある感染者は1人も確認されなかったとしています。

武漢では、ことし4月までおよそ2か月半にわたって事実上の封鎖措置がとられ、当局としては感染が基本的に抑えられていると改めて示すことで、武漢は安全だと強調するとともに、市民の不安を解消したねらいがあるとみられます。

ただ、武漢の市民の中には当局が発表する数字は、政治的な思惑が反映されたものではないかという見方もあり、SNS上には、「信じることはできない」などという受け止めも出ています。