どうなる?梅雨期の”窓開け”運行 鉄道各社の対応は

どうなる?梅雨期の”窓開け”運行 鉄道各社の対応は
新型コロナウイルスの対策の一つとして、首都圏の主な鉄道各社では窓を開けて換気をしながらの運行を続けています。

窓開け運行

すっかり定着した感じの鉄道各社の”窓開け”運行ですが、これから、雨や蒸し暑い日が多くなる梅雨のシーズン。鉄道各社はどのような対応を考えているのか聞いてみました。

どうする窓開け運行?

「窓開け運行を継続しますか?」首都圏の主な鉄道会社10社にずばり聞いてみました。

▽「継続する」はJR東日本と東京メトロ、東武の3社。
▽「窓開けしない」が京急の1社。
▽「検討中」が6社でした。

「窓開けしなくて大丈夫ですか?」京急の担当者に疑問をぶつけてみると、「大丈夫です」とのことでした。

詳しく話を聞いてみると、京急が所有する790の車両には、すべてに外気を取り込むことができる空調設備が、ついているということです。

空調のタイプによって多少の違いはあるものの、1車両あたりだいたい5、6分ほどで空気が入れ代わるといいます。

京急の担当者は「空調設備によって外気が強制的に取り込まれている上、通勤列車は頻繁にドアも開くので、窓を開けなくても換気は十分だと考えています」と説明しています。

一方、「継続する」と回答したJR東日本では、所有する99%の車両に外気を取り込むことができる空調設備がついているということです。

それでも「継続する」理由を聞いてみるとー。

JR東日本の担当者は「窓開け運行は換気の効率が上がるうえ、なにより利用者の心理面を考えると重要だと思っています」と話しています。

空調設備つき車両はどのくらい?

では、こうした外気を取り込むことができる、空調設備がついた車両はどのくらいあるのか、調べてみました。

JR東日本と首都圏の大手私鉄の10社が所有する通勤列車などに使われる車両は、合わせて1万7477両あります。

すべての車両に冷暖房を目的とした空調設備は設置されていました。

ただ、外気を取り込むことができる空調設備がついた車両は、およそ65%にあたる1万1438両でした。

さらに、会社ごとにその割合を見てみると、
▽京急と京王が100%、
▽JR東日本が99%、
▽京成が80%、
▽東急が73%、
▽相鉄が62%、
▽西武が58%、
▽小田急が46%、
▽東京メトロと東武が0%となっています。

東京メトロと東武は「梅雨や夏場も、窓開けによる自然換気を続けていく」と説明しています。

また、真夏の時期は冷房が効きにくく、乗客が熱中症になるおそれもあるため、鉄道各社ではどの程度、窓を開けるのが最適かを現在、検討しているということです。

鉄道の車内換気について、国土交通省は各社の車両の現状を調査しているとしたうえで「空調設備の違いなどを踏まえ梅雨や夏場の最適な換気の方法を鉄道事業者とともに検討していきたい」と話しています。