各地の小中学校で授業再開 コロナ感染防止で分散登校や検温

各地の小中学校で授業再開 コロナ感染防止で分散登校や検温
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新型コロナウイルスの影響で休校が続いていた各地の学校が分散登校や体温測定など感染防止対策をとりながら1日から授業を再開しました。

東京では クラスを2つに分けて授業

緊急事態宣言が解除されたことを受けて、1日、東京の小中学校でもおよそ3か月ぶりに授業が再開されました。

このうち東京 三鷹市の東台小学校は、1日から感染防止対策としてクラスを2つに分けて授業が再開されました。

1年生にとっては入学してからの2か月間は主に宿題で学習してきたため、先生による授業は初めてです。国語の授業では、クラスメートと一緒にひらがなの書き方などを学んでいました。

男子児童のひとりは「ずっと学校に行きたいと思っていたので、きょうは朝からドキドキしていました。ひらがなを書くのは難しいけど楽しかったです。友達とも遊びたいです」と話していました。

都内に1800校余りある公立の小中学校では、ようやく授業が再開されましたが、感染の防止や、子どもたちに過度な負担がかからないよう、気を配りながら、遅れた学習をどのように取り戻していくかが大きな課題となります。

鷹南学園三鷹市立東台小学校の山下裕司校長は「子どもたちが元気に戻ってきて本当にうれしく思います。感染の第2波、3波も予想されますが、安全と健康を第一にしながら学習の保障に努めます」と話しています。
また荒川区の尾久小学校では体育館で2か月遅れの入学式が行われ、マスクを着用した新入生76人が拍手に迎えられて入場しました。

式では大橋昭彦校長が子どもたちに「新1年生の皆さん、入学おめでとうございます。たくさんの先生や友達と楽しい学校生活が始まります」と呼びかける一方、保護者に対しては「不安も大きいと思うので、教職員一同、感染防止に努力したい」と述べました。

続いて在校生で唯一出席した6年生の児童2人が「勉強や給食、遊びなど健康で元気に過ごしましょう。わからないことがあったら何でも聞いてください」と歓迎しました。

新入生は式のあとクラスごとに記念撮影をして新たな学校生活をスタートさせました。

新入生の女の子は「勉強を頑張りたい。国語や図工が楽しみです」と話していました。

また参列した母親は「休校期間中は自宅で課題をこなしたり、外で遊べなかったりで大変だった。とにかく健康で元気に過ごしてほしい」と話していました。

この小学校では、2日から分散登校を行い、来週から給食を始めるなど今月中旬にかけて全面的な再開を進めていくことにしています。

大阪では 午前と午後の分散登校

大阪市の小学校では感染拡大防止のため、同じクラスの子どもたちを午前と午後のふた組に分ける分散登校をしています。

大阪府内では、緊急事態宣言の解除を受けて、1日から公立の小中学校や高校が再開し、このうち大阪 西淀川区の川北小学校では子どもたちがマスクをつけて登校しました。

大阪市では感染拡大防止のため、同じクラスの子どもたちを午前と午後のふた組に分ける分散登校を行っていて、6年2組では午前中、半数の15人が出席しました。

校内放送で東川達宏校長があいさつし、「大きな声で話したり、友達と触れ合ったりすることはできませんが、心のことばでつながって楽しく過ごしましょう」と呼びかけました。

間隔を空けて席に着いた子どもたちは、教室の窓や扉が開け放されるなか、家庭科の授業を受け、休校のあいだ家庭でどのように過ごしたか報告し合いました。

男子児童の1人は「学校に来ることができてうれしいです。みんながコロナウイルスにかからないように注意して、楽しく過ごしたいです」と話していました。

子どもたちは、2時間目の授業が終われば、帰り支度を済ませ、給食を食べて下校します。大阪市では今月14日まで分散登校が続き、15日からはほぼ通常の形で授業が行われることになっています。

埼玉では 校庭で入学式

埼玉県でも多くの学校が再開される中、入間市の小中学校では2か月ほど遅れて入学式が行われ、感染防止対策で校庭で式を行う小学校も見られました。

入間市では1日、市内の27の小中学校で一斉に入学式が行われ、このうち、およそ50人の新入生を迎えた高倉小学校では、感染拡大防止の一環で、校庭を会場に式が行われました。

入学式は午前と午後の2組に新入生を分散させる形で行われ、初めに菱さより校長が、20人余りの新入生を前に「みんなと一緒に勉強できることに感謝の気持ちを持ちながら、怖い病気にも負けない健やかな心と体にしていきましょう」とあいさつしました。

ことしの式は来賓や在校生の出席や校歌の演奏をとりやめるなど、例年と比べ大幅に簡略化され、参加できなかった保護者が学校の敷地と道路を隔てる金網のフェンス越しに子どもたちの様子を見守る中、10分ほどで終了しました。

新1年生の男の子は「入学できてとてもうれしいです。友達をたくさん作りたいです」と話していました。

フェンスの外から入学式を見守った40代の母親は「入学式は中止だと思っていたので、こうして見ることができてうれしく思います。友達と仲よくして楽しい思い出をたくさん作ってもらいたい」と話していました。

千葉では 体温確認して校舎に

千葉県流山市の小学校でも、1日から分散登校が始まり、子どもたちは熱がないか、非接触型の体温計で確認してもらったうえで校舎に入っていました。

流山市は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止しようと、市内すべての小中学校の各学級に1台ずつ非接触型の体温計を配備したうえで、1日から分散登校を開始しました。

このうち八木南小学校では、子どもたちは校舎に入る前に一人一人が教職員から体温を測ってもらったうえで、教室へと向かっていました。

そして、ようやく初めての授業を受けた1年生の児童は、適切な手洗いの方法を知ってもらおうと、教職員が作成した動画を見ながら指や手首のこすり方などを学んでいました。

1年生の男子児童は「みんなで勉強できて楽しかった」と話し、女子児童は「手洗いやうがいについて勉強できてうれしかった。友達とサッカーをしたり音楽の勉強をしたい」と話していました。

佐藤智子校長は「子どもたちが体調変化に気付くのは難しい面もあるので、随時、子どもの体調を気にかけ安全な学校生活を送らせるようにしたい」と話していました。

NHKが千葉県内の54市町村について電話やホームページの情報で確認したところ、印西市が先月26日から、白井市が先月28日から学校を再開しているほか、千葉市など52市町村は1日から小中学校を再開しました。

ほとんどの小中学校が分散登校や段階的に登校時間を延ばす対応を取ることにしています。

一方、給食の再開時期についてはそれぞれの自治体によって違いがあり、1日から再開するところがある一方で市川市や野田市は分散登校の状況を確認したうえで今月22日からの再開を予定しています。

福岡では 全員そろっての授業再開

福岡市の小中学校などでは、緊急事態宣言の解除後、学年や学級ごとに登校日をずらす分散登校を続けていましたが、1日から全員そろっての授業が始まりました。

福岡市の別府小学校では、午前8時前からマスク姿の子どもたちが元気に登校しました。

校内のテレビ放送で全校一斉の朝会が行われ、下田一郎校長が「マスクや手洗いなど感染防止を徹底しましょう」と呼びかけました。

そして、早速、各クラスで授業が行われ、およそ3か月ぶりに子どもたちが全員そろって詩の朗読や計算などに取り組んでいました。

この小学校は、児童数が972人と多いことから、いわゆる3密を防ぐため、10分間の自習を午前に行うクラスと午後に行うクラスに分けることで、掃除や給食の時間が全員一緒にならないようにしているということです。

小学5年生の男の子は「みんなで一緒に授業が受けられてうれしいです。北九州市で感染者が増えているので、気をつけないといけないと思います」と話していました。

福岡市教育委員会は授業の全面再開にあたり、市内のすべての小中学校などに消毒のためのスタッフを配置するほか、基礎疾患などで登校できない児童が早い学校では今週からオンラインで授業を受けられるようにする方針です。

福井では 机を離して換気も徹底

福井県の学校でも1日から多くの学校が授業を本格的に再開しました。

このうち、およそ130人が在籍する永平寺町の上志比小学校は、ことし3月から休校していましたが、1日からおよそ3か月ぶりに本格的に授業を再開しました。

子どもたちはマスクを着けて登校し教室に入ると早速、手を洗っていました。

また教員たちは子どもの体温や家族の健康状態などを確認していました。

この小学校では感染防止策としてこれまで机をならべて2人ずつ座るようにしていましたが、これを離して1人ずつにしたほか、教室の換気も徹底することにしています。

また音楽の授業では、先生が歌をうたう際はマスクをつけたまま大きな声はださないよう指導していて、感情を込めるために声を出さない分表情を豊かにして歌うよう指導していました。

さらにリコーダーや鍵盤ハーモニカについては息を吹いての演奏は行わず、手の動かし方だけを練習する計画だということです。

上志比小学校の南部充洋校長は「3か月ぶりの学校再開となりやっと学校が始められるという思いでいます。給食など気をつけないといけないことが今後もたくさん出るとみられるので、教員と話し合いながら万全な対策を整えたいです」と話していました。