学校再開 分散登校で車の事故に注意を

学校再開 分散登校で車の事故に注意を
東京都内では1日から本格的に学校が再開しますが、心配されるのが通学路での交通事故です。ふだんと異なる時間帯の分散登校になるうえ、新入児童への交通安全教育も十分行えていないとして、警視庁は注意の呼びかけや取締りなど対策を強化しています。
東京都内では1日から新型コロナウイルスの感染防止に努めながら本格的に学校が再開しますが、経済活動の再開に伴って車の量も増えていくとみられ、通学路での交通事故が心配されています。

さらに分散登校で子どもたちがふだんと異なる時間帯に通学路を歩くことや、不慣れな新入児童への交通安全教育もまだ十分行えていないとして、警視庁は注意の呼びかけや取締りなど対策を強化しています。

このうち、子どもたちへの注意の呼びかけでは、例年行っている交通安全教室を開けないため、急きょ制作した動画をインターネット上で公開し、横断歩道を渡る際の注意点などを紹介しています。

都内では、今月まで4か月連続で子どもが亡くなる交通事故が起きていますが、いずれのケースでも青信号を渡るなど交通ルールを守っていたのに事故に巻き込まれたということです。

警視庁は、ドライバーの取締りを強化するとともに、子どもたちに対しては青信号を渡る際でも車が来ないか確認するなど交通ルールを上回る行動を身につけてほしいとしています。

学校も通学路に教員配置

学校側は再開に向けて感染防止に気を配りながら、交通安全の対策を進めることにしています。

葛飾区の柴又小学校では、各教室に置く消毒液や熱が出た子どもを隔離する専用の部屋が用意されたほか、トイレの前の廊下には子どもたちどうしが十分に間隔を空けて待つためのテープも貼られています。

この小学校では1日から1週間は学年によって3つのグループに時間帯を分けて分散登校を行います。

子どもたちが事故などに遭わないよう教員などが通学路に立って見守り登校指導を行うことにしていて、29日、担当教員と校長がその場所や注意点について確認しました。

信号のない交差点や交通量の多い場所だけでなく、これまでほとんど登校する機会のなかった1年生が多く通る場所でも重点的に見守りや登校指導を行うということです。

柴又小学校の木間東平校長は「とくに1年生はどのように学校に来ればいいかということ自体もなかなか理解できていない中で交通ルールまでしっかり意識して通学するのは難しい。上手に声かけをして安全に学校までたどりつくようにさせたい」と話していました。

警視庁「家庭でも交通安全について話し合って」

警視庁交通総務課の功刀正樹管理官は、「新たな生活が始まる時期に子どもたちへの交通安全教育をすることは非常に重要だが、今も行えていないことに危機感を感じている。ぜひ家庭で交通安全について話し合ってほしい」と訴えています。

そのうえで、「いつもと異なる時間帯の分散登校では、車の流れも、いつもと違うものになる。子どもたちはそのことを知ってほしいし、ドライバーも通常の時間帯以外に子どもたちが学校周辺で歩いたり遊んだりすることを念頭に置いて運転してほしい」と話しています。